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【国際】原油需要は2019年に、プラスチックは2027年に需要ピーク。英シンクタンク発表

 英シンクタンクはこのほど、プラスチック等の石油化学製品需要に期待し石油関連事業が引き続き成長するという見方に警鐘を鳴らすレポートを発表した。サーキュラーエコノミー型の経済モデルにシフトしていく動きが出ており、今後予定されている設備増強コスト4,000億米ドルが「座礁資産」化する可能性があるとの分析結果を示した。

 今回レポートを発表したのは、英シンクタンクNGOカーボントラッカー。原油資源は、輸送機器の燃料として大きな需要を誇っているが、徐々にエネルギーの脱炭素化が進むとエネルギーとして原油需要は減少していくとみられている。一方、プラスチック等の石油化学製品は世界的に需要が今後も上昇し、原油需要の押し上げ要因となるとの見方がある。実際に、BPが予測する中庸シナリオでは、今後の原油需要増加の95%は石油化学製品で、国際エネルギー(IEA)の予測でも45%が石油化学製品となっている。

 しかしカーボントラッカーは、プラスチックは、燃焼による二酸化炭素排出、大気汚染による健康被害、回収費用、海洋プラスチック汚染等による社会的なコストが1t当たり1,000米ドル、世界全体では年間で3,500米ドルもかかっていると試算。さらにプラスチック製品の36%は使い捨てで、非常に社会的なコスト負荷が大きいと問題を指摘した。

 米独立系シンクタンクのピュー研究所は7月、不要なプラスチックの削減、プラスチック代替物へのシフト、プラスチックのリサイクルの3つの手法で、現行のテクノロジーにより、2040年までに現在の海洋プラスチック流出の80%を削減できるというレポートを発表。それによりバージンプラスチックも50%、二酸化炭素排出量も25%削減しつつ、70万人の雇用創出効果もあることを示した。 

 仮に上記のレポートが示したソリューションが提示されると、バージンプラスチックの需要は2027年にピークを迎え、そこから減少に転じるとした。それに伴い、原油需要も低迷し、新型コロナウイルス・パンデミックによる需要減を考慮すると、原油需要は2019年にピークを迎えるとはじき出した。

 原油需要が低下すると、毎年4%増となる見込みの石油化学製品インフラが座礁資産化のリスクがあり、リスク設備は6,000億米ドルと見立てた。

【参照ページ】The Future’s Not in Plastics: Why plastics demand won’t rescue the oil sector
【参照ページ】Breaking the Plastic Wave: Top Findings for Preventing Plastic Pollution

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 英シンクタンクはこのほど、プラスチック等の石油化学製品需要に期待し石油関連事業が引き続き成長するという見方に警鐘を鳴らすレポートを発表した。サーキュラーエコノミー型の経済モデルにシフトしていく動きが出ており、今後予定されている設備増強コスト4,000億米ドルが「座礁資産」化する可能性があるとの分析結果を示した。

 今回レポートを発表したのは、

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 英シンクタンクはこのほど、プラスチック等の石油化学製品需要に期待し石油関連事業が引き続き成長するという見方に警鐘を鳴らすレポートを発表した。サーキュラーエコノミー型の経済モデルにシフトしていく動きが出ており、今後予定されている設備増強コスト4,000億米ドルが「座礁資産」化する可能性があるとの分析結果を示した。

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 英シンクタンクはこのほど、プラスチック等の石油化学製品需要に期待し石油関連事業が引き続き成長するという見方に警鐘を鳴らすレポートを発表した。サーキュラーエコノミー型の経済モデルにシフトしていく動きが出ており、今後予定されている設備増強コスト4,000億米ドルが「座礁資産」化する可能性があるとの分析結果を示した。

 今回レポートを発表したのは、英シンクタンクNGOカーボントラッカー。原油資源は、輸送機器の燃料として大きな需要を誇っているが、徐々にエネルギーの脱炭素化が進むとエネルギーとして原油需要は減少していくとみられている。一方、プラスチック等の石油化学製品は世界的に需要が今後も上昇し、原油需要の押し上げ要因となるとの見方がある。実際に、BPが予測する中庸シナリオでは、今後の原油需要増加の95%は石油化学製品で、国際エネルギー(IEA)の予測でも45%が石油化学製品となっている。

 しかしカーボントラッカーは、プラスチックは、燃焼による二酸化炭素排出、大気汚染による健康被害、回収費用、海洋プラスチック汚染等による社会的なコストが1t当たり1,000米ドル、世界全体では年間で3,500米ドルもかかっていると試算。さらにプラスチック製品の36%は使い捨てで、非常に社会的なコスト負荷が大きいと問題を指摘した。

 米独立系シンクタンクのピュー研究所は7月、不要なプラスチックの削減、プラスチック代替物へのシフト、プラスチックのリサイクルの3つの手法で、現行のテクノロジーにより、2040年までに現在の海洋プラスチック流出の80%を削減できるというレポートを発表。それによりバージンプラスチックも50%、二酸化炭素排出量も25%削減しつつ、70万人の雇用創出効果もあることを示した。 

 仮に上記のレポートが示したソリューションが提示されると、バージンプラスチックの需要は2027年にピークを迎え、そこから減少に転じるとした。それに伴い、原油需要も低迷し、新型コロナウイルス・パンデミックによる需要減を考慮すると、原油需要は2019年にピークを迎えるとはじき出した。

 原油需要が低下すると、毎年4%増となる見込みの石油化学製品インフラが座礁資産化のリスクがあり、リスク設備は6,000億米ドルと見立てた。

【参照ページ】The Future’s Not in Plastics: Why plastics demand won’t rescue the oil sector
【参照ページ】Breaking the Plastic Wave: Top Findings for Preventing Plastic Pollution

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