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【日本】2050年カーボンニュートラル、脱火力・脱原発で再エネ100%で可能。自然エネルギー財団とLUT等

 公益財団法人自然エネルギー財団は3月9日、独シンクタンクのアゴラ・エナギーヴェンデとフィンランド・ラッペンランタ工科大学(LUT)と協働で、日本のカーボンニュートラルへのロードマップを提示した研究レポート「日本の気候中立への再生可能な道筋:2050年までにエネルギーシステムにおける排出ゼロの達成を目指す」を公表した。同時に、同財団は、日本の脱炭素戦略・政策提言に関する独自提言書も公表した。

 フィンランド・ラッペンランタ工科大学は、日本市場を対象としたエネルギー・トランジション・モデルによる解析を初めて実施。日本のエネルギーシステムを全分野・地域にわたり一時間単位で解析した。結果、日本でも、大きなコスト増なく、再生可能エネルギー100%ベースでのとしたゼロ・カーボン・エネルギーシステムを実現できると結論づけた。

 同レポートは、再生可能エネルギー電源比率を2030年に40%、2050年に100%にまで引き上げることにはリーズナブルな価格で実現できることを示した。また、熱エネルギー、輸送エネルギー、工業エネルギーの電化と、送電網強化、蓄電、需要サイドのフレキシビリティを進めることで、再生可能エネルギーを電力システムに統合していくことがさらに容易になると試算した。

 原子力発電に関しては、安価に長期的な脱炭素化目標を達成する上では不要と断言。2025年までに再生可能エネルギーは原子力よりも経済競争力が上がり、原子力から再生可能エネルギーへの切替も進むと結論づけた。そのため、稼働期限が来たタイミングで停止していくという。

 さらに水素エネルギーについても、直接電気として活用する方が効率的で安価であり、水素は補完的な役割にとどまるだろうとした。そのため、輸送、空間熱、中程度の温度の工場熱エネルギーに関しては、水素は出番があまりないとの見方を示した。

 これを受け自然エネルギー財団は、火力発電や原子力発電は経済合理性に乏しくなると明言。炭素回収・貯留(CCS)技術付きの火力発電はさらに合理性がなくなるとした。エネルギー需要の観点からも、人口減少や省エネ化で2020年から2050年で需要が35%減少。加えて、ヒートポンプ、EV等、電力をベースとしたエネルギー効率の高い技術が導入されることでエネルギー効率をさがに上がり、電力システム全体の効率化効果も加わり、一次エネルギー需要は2020年比で54%削減すると試算した。

 その中で、高温の工場熱エネルギーに関しても、グリーン水素やグリーン合成燃料の可能性はあるが、電化を進めることのほうがコスト競争力はあがると指摘。再生可能エネルギーだけで100%の日本の電力を供給できるとした。

【参照ページ】日本の気候中立への自然エネルギーによる経路
【参照ページ】脱炭素の日本への自然エネルギー100%戦略

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 公益財団法人自然エネルギー財団は3月9日、独シンクタンクのアゴラ・エナギーヴェンデとフィンランド・ラッペンランタ工科大学(LUT)と協働で、日本のカーボンニュートラルへのロードマップを提示した研究レポート「日本の気候中立への再生可能な道筋:2050年までにエネルギーシステムにおける排出ゼロの達成を目指す」を公表した。同時に、同財団は、日本の脱炭素戦略・政策提言に関する独自提言書も公表した。

 フィンランド・ラッペンランタ工科大学は、

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 公益財団法人自然エネルギー財団は3月9日、独シンクタンクのアゴラ・エナギーヴェンデとフィンランド・ラッペンランタ工科大学(LUT)と協働で、日本のカーボンニュートラルへのロードマップを提示した研究レポート「日本の気候中立への再生可能な道筋:2050年までにエネルギーシステムにおける排出ゼロの達成を目指す」を公表した。同時に、同財団は、日本の脱炭素戦略・政策提言に関する独自提言書も公表した。

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 公益財団法人自然エネルギー財団は3月9日、独シンクタンクのアゴラ・エナギーヴェンデとフィンランド・ラッペンランタ工科大学(LUT)と協働で、日本のカーボンニュートラルへのロードマップを提示した研究レポート「日本の気候中立への再生可能な道筋:2050年までにエネルギーシステムにおける排出ゼロの達成を目指す」を公表した。同時に、同財団は、日本の脱炭素戦略・政策提言に関する独自提言書も公表した。

 フィンランド・ラッペンランタ工科大学は、日本市場を対象としたエネルギー・トランジション・モデルによる解析を初めて実施。日本のエネルギーシステムを全分野・地域にわたり一時間単位で解析した。結果、日本でも、大きなコスト増なく、再生可能エネルギー100%ベースでのとしたゼロ・カーボン・エネルギーシステムを実現できると結論づけた。

 同レポートは、再生可能エネルギー電源比率を2030年に40%、2050年に100%にまで引き上げることにはリーズナブルな価格で実現できることを示した。また、熱エネルギー、輸送エネルギー、工業エネルギーの電化と、送電網強化、蓄電、需要サイドのフレキシビリティを進めることで、再生可能エネルギーを電力システムに統合していくことがさらに容易になると試算した。

 原子力発電に関しては、安価に長期的な脱炭素化目標を達成する上では不要と断言。2025年までに再生可能エネルギーは原子力よりも経済競争力が上がり、原子力から再生可能エネルギーへの切替も進むと結論づけた。そのため、稼働期限が来たタイミングで停止していくという。

 さらに水素エネルギーについても、直接電気として活用する方が効率的で安価であり、水素は補完的な役割にとどまるだろうとした。そのため、輸送、空間熱、中程度の温度の工場熱エネルギーに関しては、水素は出番があまりないとの見方を示した。

 これを受け自然エネルギー財団は、火力発電や原子力発電は経済合理性に乏しくなると明言。炭素回収・貯留(CCS)技術付きの火力発電はさらに合理性がなくなるとした。エネルギー需要の観点からも、人口減少や省エネ化で2020年から2050年で需要が35%減少。加えて、ヒートポンプ、EV等、電力をベースとしたエネルギー効率の高い技術が導入されることでエネルギー効率をさがに上がり、電力システム全体の効率化効果も加わり、一次エネルギー需要は2020年比で54%削減すると試算した。

 その中で、高温の工場熱エネルギーに関しても、グリーン水素やグリーン合成燃料の可能性はあるが、電化を進めることのほうがコスト競争力はあがると指摘。再生可能エネルギーだけで100%の日本の電力を供給できるとした。

【参照ページ】日本の気候中立への自然エネルギーによる経路
【参照ページ】脱炭素の日本への自然エネルギー100%戦略

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