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【国際】TNFD、フレームワークのベータ版初版発行。ダブルマテリアリティを明記

 自然資本観点でのリスク・機会の情報開示を検討する自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)は3月15日、TNFDフレームワークのベーダ版初版を発行した。議論の叩き台とし、2023年秋の最終提言書発行を目指す。

 今回発行した開示フレームワークは、3つの要素で構成されている。まず、主要な概念と定義を含む自然関連リスクと機会を理解するための基礎ガイダンス。2つ目が、情報開示フレームワーク。3つ目が、企業と金融機関向けの実践ガイダンス。TNFDタスクフォースのメンバーが、ナレッジパートナー機関の助言を受けながら策定した。

【参考】【国際】TNFD、ナレッジパートナー機関13団体発表。生物多様性で専門的助言(2022年1月28日)
【参考】【国際】TNFD、タスクフォースメンバー30人を決定。日本からはMS&AD。最大35人まで増加(2021年10月2日)

 今回の開示フレームワークでは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)と同じ「ガバナンス」「戦略」「リスクマネジメント」「指標と目標」の4本柱を採用。市場関係者の要望も強く、可能な限り整合させた。国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が開発中の開示フレームワークとの整合性も最初から念頭に置かれた。4本柱の各項目についても、「指標と目標」と具体的な指標を除き、提示された。


(出所)TNFD

 加えて、同フレームワークでは、LEAP(Locate, Evaluate, Assess, Prepare:発見、診断、評価、準備)と呼ばれる自然関連リスクと機会の統合評価プロセスを提示。大きな特徴となった。自然関連情報では、詳細なシナリオ分析をすることよりも、自然と事業の相互関連性を説明することに重きが置かれている。

 注目されていたマテリアリティ概念については、自然が事業に与える影響だけでなく、事業が自然に与える影響も検討することを明記。いわゆる「ダブルマテリアリティ」を採用することを明確にした。背景には、どのようなマテリアリティを意思決定で考慮するかは、ステークホルダーに委ね、発行体や金融機関としては、ステークホルダーが知りたい材料を提供すべきという整理があったように思われる。

【参照ページ】TNFD Releases First Beta Version of Nature-related Risk Management Framework for Market Consultation
【参照ページ】The TNFD Nature-Related Risk & Opportunity Management and Disclosure Framework Beta v0.1
【参照ページ】The TNFD Nature-Related Risk & Opportunity Management and Disclosure Framework Beta v0.1 – Executive summary

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 自然資本観点でのリスク・機会の情報開示を検討する自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)は3月15日、TNFDフレームワークのベーダ版初版を発行した。議論の叩き台とし、2023年秋の最終提言書発行を目指す。

 今回発行した開示フレームワークは、

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 自然資本観点でのリスク・機会の情報開示を検討する自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)は3月15日、TNFDフレームワークのベーダ版初版を発行した。議論の叩き台とし、2023年秋の最終提言書発行を目指す。

 今回発行した開示フレームワークは、

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 今回発行した開示フレームワークは、3つの要素で構成されている。まず、主要な概念と定義を含む自然関連リスクと機会を理解するための基礎ガイダンス。2つ目が、情報開示フレームワーク。3つ目が、企業と金融機関向けの実践ガイダンス。TNFDタスクフォースのメンバーが、ナレッジパートナー機関の助言を受けながら策定した。

【参考】【国際】TNFD、ナレッジパートナー機関13団体発表。生物多様性で専門的助言(2022年1月28日)
【参考】【国際】TNFD、タスクフォースメンバー30人を決定。日本からはMS&AD。最大35人まで増加(2021年10月2日)

 今回の開示フレームワークでは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)と同じ「ガバナンス」「戦略」「リスクマネジメント」「指標と目標」の4本柱を採用。市場関係者の要望も強く、可能な限り整合させた。国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が開発中の開示フレームワークとの整合性も最初から念頭に置かれた。4本柱の各項目についても、「指標と目標」と具体的な指標を除き、提示された。


(出所)TNFD

 加えて、同フレームワークでは、LEAP(Locate, Evaluate, Assess, Prepare:発見、診断、評価、準備)と呼ばれる自然関連リスクと機会の統合評価プロセスを提示。大きな特徴となった。自然関連情報では、詳細なシナリオ分析をすることよりも、自然と事業の相互関連性を説明することに重きが置かれている。

 注目されていたマテリアリティ概念については、自然が事業に与える影響だけでなく、事業が自然に与える影響も検討することを明記。いわゆる「ダブルマテリアリティ」を採用することを明確にした。背景には、どのようなマテリアリティを意思決定で考慮するかは、ステークホルダーに委ね、発行体や金融機関としては、ステークホルダーが知りたい材料を提供すべきという整理があったように思われる。

【参照ページ】TNFD Releases First Beta Version of Nature-related Risk Management Framework for Market Consultation
【参照ページ】The TNFD Nature-Related Risk & Opportunity Management and Disclosure Framework Beta v0.1
【参照ページ】The TNFD Nature-Related Risk & Opportunity Management and Disclosure Framework Beta v0.1 – Executive summary

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