Sustainable Japan | 世界のサステナビリティ・ESG投資・SDGs

【日本】GPIF、2021年度版のESG活動報告発行。ESGインデックス投資の超過リターンは1000億円超

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は8月24日、第5回目となる2021年度版の「ESG活動報告」を発行した。昨年度と同様、ESG投資のパフォーマンス、ESGエンゲージメントの成果、集団的エンゲージメントの参加状況、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に基づく開示を実施した。

 GPIFが選定している8つのESG株式インデックスでは、運用資産の総額が2022年3月末時点で約12.1兆円。エンゲージメント型も含めるとGPIFの運用資産は196.6兆円となる。国内・海外株式ポートフォリオ全体の12.8%を占める。債券ではサステナブルボンド(ESG債)への投資額は1.6兆円。

 累積運用パフォーマンスでは、全てのインデックスで、国内ではTOPIX、海外ではMSCI ACWI(日本除く)をアウトパフォームした。但し、MCI WINのみは、ユニバースに対しては0.01%アンダーパフォームだった。最も超過リターンが大きいのは、MSCI ESGセレクトリーダーズ。全体では、非ESG株式インデックスで投資した場合と比べ、1,000億円を大きく上回る累積超過リターンを確保した。

 ESG評価機関に対するエンゲージメントでは、ESG評価対象企業の拡大、ESG評価機関と企業との対話促進、ESG評価手法の開示、ESG評価機関自身のガバナンス体制の改善の4つについて実施してきたことを明らかにした。いずれについても、大きな成果が出たことを強調している。

 気候変動開示では、GPIFポートフォリオ全体での気温上昇ポテンシャルは、MSCIの分析結果を基に、国内株式2.7℃、国内債券2.4℃、外国株式2.7℃、外国債券2.7℃で、2℃を大きく上回っていると吐露。課題感を示した。気候バリュー・アット・リスク(CVaR)の手法を採用した分析では、株式と債券は相反する反応をみせ、移行遅延以上に無秩序なカーボンニュートラルの達成では、ポートフォリオ全体のボラティリティが高まることを示した。

【参照ページ】「2021年度 ESG活動報告」を刊行しました

ここから先は登録ユーザー限定のコンテンツとなります。ログインまたはユーザー登録を行って下さい。

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は8月24日、第5回目となる2021年度版の「ESG活動報告」を発行した。昨年度と同様、ESG投資のパフォーマンス、ESGエンゲージメントの成果、集団的エンゲージメントの参加状況、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に基づく開示を実施した。

 GPIFが選定している8つのESG株式インデックスでは、

ここから先は登録ユーザー限定のコンテンツとなります。ログインまたはユーザー登録を行って下さい。

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は8月24日、第5回目となる2021年度版の「ESG活動報告」を発行した。昨年度と同様、ESG投資のパフォーマンス、ESGエンゲージメントの成果、集団的エンゲージメントの参加状況、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に基づく開示を実施した。

 GPIFが選定している8つのESG株式インデックスでは、

ここから先は登録ユーザー限定のコンテンツとなります。ログインまたはユーザー登録を行って下さい。

ここから先は有料登録会員限定のコンテンツとなります。有料登録会員へのアップグレードを行って下さい。

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は8月24日、第5回目となる2021年度版の「ESG活動報告」を発行した。昨年度と同様、ESG投資のパフォーマンス、ESGエンゲージメントの成果、集団的エンゲージメントの参加状況、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に基づく開示を実施した。

 GPIFが選定している8つのESG株式インデックスでは、運用資産の総額が2022年3月末時点で約12.1兆円。エンゲージメント型も含めるとGPIFの運用資産は196.6兆円となる。国内・海外株式ポートフォリオ全体の12.8%を占める。債券ではサステナブルボンド(ESG債)への投資額は1.6兆円。

 累積運用パフォーマンスでは、全てのインデックスで、国内ではTOPIX、海外ではMSCI ACWI(日本除く)をアウトパフォームした。但し、MCI WINのみは、ユニバースに対しては0.01%アンダーパフォームだった。最も超過リターンが大きいのは、MSCI ESGセレクトリーダーズ。全体では、非ESG株式インデックスで投資した場合と比べ、1,000億円を大きく上回る累積超過リターンを確保した。

 ESG評価機関に対するエンゲージメントでは、ESG評価対象企業の拡大、ESG評価機関と企業との対話促進、ESG評価手法の開示、ESG評価機関自身のガバナンス体制の改善の4つについて実施してきたことを明らかにした。いずれについても、大きな成果が出たことを強調している。

 気候変動開示では、GPIFポートフォリオ全体での気温上昇ポテンシャルは、MSCIの分析結果を基に、国内株式2.7℃、国内債券2.4℃、外国株式2.7℃、外国債券2.7℃で、2℃を大きく上回っていると吐露。課題感を示した。気候バリュー・アット・リスク(CVaR)の手法を採用した分析では、株式と債券は相反する反応をみせ、移行遅延以上に無秩序なカーボンニュートラルの達成では、ポートフォリオ全体のボラティリティが高まることを示した。

【参照ページ】「2021年度 ESG活動報告」を刊行しました

ここから先は登録ユーザー限定のコンテンツとなります。ログインまたはユーザー登録を行って下さい。