Sustainable Japan | 世界のサステナビリティ・ESG投資・SDGs

【国際】ISSB、スコープ3排出量開示義務化決定。シングルマテリアリティの採用を確認

 IFRS財団の国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は10月21日、策定中のサステナビリティ関連開示基準で、スコープ1からスコープ3までの二酸化炭素排出量の情報開示を企業に求めることを全会一致で採択したと発表した。スコープ3の開示に猶予期間を設けることや、各国・地域との協働でセーフハーバー規定を設ける等、救済規定も整備する予定。

 今回の会合では、サステナビリティ関連開示基準案へのパブコメも参考に、不明瞭さが指摘されていた点を議論。開示基準の要件では、投資家の情報開示ニーズを満たすことに重点を置くことを確認した。

 また目的及びマテリアリティの評価から「企業価値(enterprise value)」の文言を削除し、開示するサステナビリティ関連リスクと機会を判断するための「重要さ(significant)」についても文言を削除。双方の概念に関する表現をブラッシュアップするため、引き続き議論を重ねる。

 マテリアルの定義については、IFRS会計基準と同様とすることを確認。これにより、ダブルマテリアリティではなく、シングルマテリアリティを重視する方向性を再確認した。今後、マテリアリティの判断のためのガイダンスの要否を議論していく。

 さらにISSBは、EUの企業サステナビリティ報告指令(CSRD)等と相互運用できるよう、重要事項を優先的に決定。気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の構成を援用することや、個別地域での要件との整合性を図るため、一部の開示と移行計画に関する文言を修正すること等も決めた。

【参考】【国際】PRI、WBCSD、IFACの3者、ISSB、SEC、EUにサステナビリティ開示基準の互換性要求(2022年6月5日)

 今後の作業に関しては、一般原則と気候関連開示の基準策定、及び2023年前半に諮問する新たな作業の2つに注力することを決定。基礎作業では、デジタル報告のためのガイダンスや分類法の開発、国際的に適用するためのSASBスタンダードの改良、IASB(国際会計基準審議会)との調整、GRIや欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)等との相互運用性の検討、気候関連開示への追加的な改善可能性の調査等を行う予定。

 ISSBは今後、全パブリックコメントを参考に議論し、2022年末に基準案の審議を完了。2023年のできるだけ早い時期に最終版の発行を目指す。

【参照ページ】ISSB unanimously confirms Scope 3 GHG emissions disclosure requirements with strong application support, among key decisions

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 IFRS財団の国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は10月21日、策定中のサステナビリティ関連開示基準で、スコープ1からスコープ3までの二酸化炭素排出量の情報開示を企業に求めることを全会一致で採択したと発表した。スコープ3の開示に猶予期間を設けることや、各国・地域との協働でセーフハーバー規定を設ける等、救済規定も整備する予定。

 今回の会合では、

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 IFRS財団の国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は10月21日、策定中のサステナビリティ関連開示基準で、スコープ1からスコープ3までの二酸化炭素排出量の情報開示を企業に求めることを全会一致で採択したと発表した。スコープ3の開示に猶予期間を設けることや、各国・地域との協働でセーフハーバー規定を設ける等、救済規定も整備する予定。

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 IFRS財団の国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は10月21日、策定中のサステナビリティ関連開示基準で、スコープ1からスコープ3までの二酸化炭素排出量の情報開示を企業に求めることを全会一致で採択したと発表した。スコープ3の開示に猶予期間を設けることや、各国・地域との協働でセーフハーバー規定を設ける等、救済規定も整備する予定。

 今回の会合では、サステナビリティ関連開示基準案へのパブコメも参考に、不明瞭さが指摘されていた点を議論。開示基準の要件では、投資家の情報開示ニーズを満たすことに重点を置くことを確認した。

 また目的及びマテリアリティの評価から「企業価値(enterprise value)」の文言を削除し、開示するサステナビリティ関連リスクと機会を判断するための「重要さ(significant)」についても文言を削除。双方の概念に関する表現をブラッシュアップするため、引き続き議論を重ねる。

 マテリアルの定義については、IFRS会計基準と同様とすることを確認。これにより、ダブルマテリアリティではなく、シングルマテリアリティを重視する方向性を再確認した。今後、マテリアリティの判断のためのガイダンスの要否を議論していく。

 さらにISSBは、EUの企業サステナビリティ報告指令(CSRD)等と相互運用できるよう、重要事項を優先的に決定。気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の構成を援用することや、個別地域での要件との整合性を図るため、一部の開示と移行計画に関する文言を修正すること等も決めた。

【参考】【国際】PRI、WBCSD、IFACの3者、ISSB、SEC、EUにサステナビリティ開示基準の互換性要求(2022年6月5日)

 今後の作業に関しては、一般原則と気候関連開示の基準策定、及び2023年前半に諮問する新たな作業の2つに注力することを決定。基礎作業では、デジタル報告のためのガイダンスや分類法の開発、国際的に適用するためのSASBスタンダードの改良、IASB(国際会計基準審議会)との調整、GRIや欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)等との相互運用性の検討、気候関連開示への追加的な改善可能性の調査等を行う予定。

 ISSBは今後、全パブリックコメントを参考に議論し、2022年末に基準案の審議を完了。2023年のできるだけ早い時期に最終版の発行を目指す。

【参照ページ】ISSB unanimously confirms Scope 3 GHG emissions disclosure requirements with strong application support, among key decisions

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