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【イギリス】政府、HALEU核燃料生産に560億円。原発24GWロードマップも発表

 英エネルギー安全保障・ネットゼロ省は1月7日、欧州で初めて、高純度低濃縮ウラン(HALEU)燃料生産への予算投下を実施。3億ポンド(約560億円)を拠出した。イングランド北西部で、次世代原子炉(AMR)に必要な濃縮ウランを生産する。

 HALEU燃料は、現在開発が進められている次世代原子炉向けの新型燃料。現時点ではロシアのみがHALEUを大量生産できる。英国は今回、国産HALEU燃料の生産強化の理由として、ロシアへの対抗心を明確に表明した。

 今回決定した3億ポンドの予算投下は、2050年までに原子力発電の設備容量を24GWにまで拡大し、国内電力需要の25%をカバーしにいくことが目的。英国で計画しているAMRは、小型工場で製造可能なタイプで、最初の発電所は2030年代初頭に稼働する予定。

 加えて、同省は今回、英国内での他の新型燃料の製造技術や設備開発に向け、1,000万ポンド(約19億円)を拠出することも発表。長期的な国内核燃料供給体制を確立する。

 同省は2023年7月にも、核燃料の国内生産サプライチェーンを構築するため、英国内の8つのプロジェクトに対し、原子燃料基金(NFF)から総額2,230万ポンド(約42億円)の拠出を発表している。その中にはHALEU燃料関連も含まれている。

 さらに同省は1月11日、2050年までに原子力発電の設備容量を24GWに拡大するためのロードマップも公表した。英国として70年ぶりの大型原子力発電開発計画となる。

 同ロードマップでは、サフォーク州のサイズウェル発電所やサマセット州のヒンクリー発電所と同規模の発電所の新設を具体的に検討することも盛り込まれた。2030年から2044年まで5年毎に3GWから7GW相当の投資決定を目指すことも明記された。小型モジュール炉(SMR)技術開発でも世界をリードする。

 英政府はすでに、将来の原子力発電所の立地に関し、8つの候補地を指定している。但し今回、8つの候補地以外でも開発事業者が適切な場所を探索することを排除しないアプローチも発表。政府として一定の基準を満たせば、開発を認めていく考え。これにより地元の積極的な誘致を呼び込みたい狙いがあるとみられる。

【参照ページ】UK invests in high-tech nuclear fuel to push Putin out of global energy market
【参照ページ】Biggest expansion of nuclear power for 70 years to create jobs, reduce bills and strengthen Britain’s energy security
【参照ページ】Nuclear Fuel Fund successful projects

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 英エネルギー安全保障・ネットゼロ省は1月7日、欧州で初めて、高純度低濃縮ウラン(HALEU)燃料生産への予算投下を実施。3億ポンド(約560億円)を拠出した。イングランド北西部で、次世代原子炉(AMR)に必要な濃縮ウランを生産する。

 HALEU燃料は、

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 英エネルギー安全保障・ネットゼロ省は1月7日、欧州で初めて、高純度低濃縮ウラン(HALEU)燃料生産への予算投下を実施。3億ポンド(約560億円)を拠出した。イングランド北西部で、次世代原子炉(AMR)に必要な濃縮ウランを生産する。

 HALEU燃料は、

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 英エネルギー安全保障・ネットゼロ省は1月7日、欧州で初めて、高純度低濃縮ウラン(HALEU)燃料生産への予算投下を実施。3億ポンド(約560億円)を拠出した。イングランド北西部で、次世代原子炉(AMR)に必要な濃縮ウランを生産する。

 HALEU燃料は、現在開発が進められている次世代原子炉向けの新型燃料。現時点ではロシアのみがHALEUを大量生産できる。英国は今回、国産HALEU燃料の生産強化の理由として、ロシアへの対抗心を明確に表明した。

 今回決定した3億ポンドの予算投下は、2050年までに原子力発電の設備容量を24GWにまで拡大し、国内電力需要の25%をカバーしにいくことが目的。英国で計画しているAMRは、小型工場で製造可能なタイプで、最初の発電所は2030年代初頭に稼働する予定。

 加えて、同省は今回、英国内での他の新型燃料の製造技術や設備開発に向け、1,000万ポンド(約19億円)を拠出することも発表。長期的な国内核燃料供給体制を確立する。

 同省は2023年7月にも、核燃料の国内生産サプライチェーンを構築するため、英国内の8つのプロジェクトに対し、原子燃料基金(NFF)から総額2,230万ポンド(約42億円)の拠出を発表している。その中にはHALEU燃料関連も含まれている。

 さらに同省は1月11日、2050年までに原子力発電の設備容量を24GWに拡大するためのロードマップも公表した。英国として70年ぶりの大型原子力発電開発計画となる。

 同ロードマップでは、サフォーク州のサイズウェル発電所やサマセット州のヒンクリー発電所と同規模の発電所の新設を具体的に検討することも盛り込まれた。2030年から2044年まで5年毎に3GWから7GW相当の投資決定を目指すことも明記された。小型モジュール炉(SMR)技術開発でも世界をリードする。

 英政府はすでに、将来の原子力発電所の立地に関し、8つの候補地を指定している。但し今回、8つの候補地以外でも開発事業者が適切な場所を探索することを排除しないアプローチも発表。政府として一定の基準を満たせば、開発を認めていく考え。これにより地元の積極的な誘致を呼び込みたい狙いがあるとみられる。

【参照ページ】UK invests in high-tech nuclear fuel to push Putin out of global energy market
【参照ページ】Biggest expansion of nuclear power for 70 years to create jobs, reduce bills and strengthen Britain’s energy security
【参照ページ】Nuclear Fuel Fund successful projects

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