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【EU】EU理事会、企業サステナビリティ・デューデリジェンス指令案を否決。加盟国の足並み揃わず

 EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会は2月28日、常駐代表委員会(COREPER)で、企業サステナビリティ・デューデリジェンス指令(CSDDD)案を否決した。EU理事会議長国ベルギーは、再審議に向け、EU下院の役割を担う欧州議会との協議に入る見通し。但し、6月に欧州議会選挙を控えており、欧州議会での審議は選挙以降に持ち越されるとの意見もある。

【参考】【EU】EU理事会と欧州議会、企業サステナビリティ・デューデリジェンス指令(CSDDD)案で政治的合意(2023年12月17日)

 同指令は、EUおよびEU域内での事業規模の大きい大企業に対し、自社の事業、子会社の事業、サプライチェーンに関し、人権と環境に及ぼす実際もしくは潜在的な悪影響に関するデューデリジェンスの実施を義務化するもの。

 常駐代表委員会(COREPER)での立法審議では、当初2月9日に採決が行われる予定だったが、直前にドイツ政府が企業の法的責任の影響が著しく拡大することを恐れ、法案への棄権を表明し、イタリア政府も同調し棄権を表明。EU理事会での採決は、全会一致ではなく、EU人口の65%をカバーと15カ国以上の双方の条件を満たす国が賛成すると可決されるが、議長国ベルギーは、あらためて調整する必要があると判断し、採決を延期した。EU理事会では、常駐代表委員会(COREPER)での採決の後に、EU理事会そのものでの採決を行う流れになっている。

 その後、ベルギー政府は2月29日についに常駐代表委員会(COREPER)での採決を実施し、13ヶ国が賛成、1カ国が反対、13ヶ国が棄権となり、否決された。各国の投票結果は非公開で、反対したのはドイツとみられるが、スウェーデンが反対したとの報道もある。他に、イタリア、チェコ、ハンガリー、ルクセンブルク、オーストリア、フィンランドは棄権に回った可能性が高い。さらに、フランスが土壇場で、同指令の適用対象要件を大幅に縮小し、原案では、従業員500人以上かつグローバル売上が1.5億ユーロを超える大企業としていた要件を、従業員5,000人以上に大幅に引き上げる修正を要求し、さらに審議は混乱。多くの国が棄権する事態となった。

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 EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会は2月28日、常駐代表委員会(COREPER)で、企業サステナビリティ・デューデリジェンス指令(CSDDD)案を否決した。EU理事会議長国ベルギーは、再審議に向け、EU下院の役割を担う欧州議会との協議に入る見通し。但し、6月に欧州議会選挙を控えており、欧州議会での審議は選挙以降に持ち越されるとの意見もある。

【参考】【EU】EU理事会と欧州議会、企業サステナビリティ・デューデリジェンス指令(CSDDD)案で政治的合意(2023年12月17日)

 同指令は、

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 EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会は2月28日、常駐代表委員会(COREPER)で、企業サステナビリティ・デューデリジェンス指令(CSDDD)案を否決した。EU理事会議長国ベルギーは、再審議に向け、EU下院の役割を担う欧州議会との協議に入る見通し。但し、6月に欧州議会選挙を控えており、欧州議会での審議は選挙以降に持ち越されるとの意見もある。

【参考】【EU】EU理事会と欧州議会、企業サステナビリティ・デューデリジェンス指令(CSDDD)案で政治的合意(2023年12月17日)

 同指令は、

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 EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会は2月28日、常駐代表委員会(COREPER)で、企業サステナビリティ・デューデリジェンス指令(CSDDD)案を否決した。EU理事会議長国ベルギーは、再審議に向け、EU下院の役割を担う欧州議会との協議に入る見通し。但し、6月に欧州議会選挙を控えており、欧州議会での審議は選挙以降に持ち越されるとの意見もある。

【参考】【EU】EU理事会と欧州議会、企業サステナビリティ・デューデリジェンス指令(CSDDD)案で政治的合意(2023年12月17日)

 同指令は、EUおよびEU域内での事業規模の大きい大企業に対し、自社の事業、子会社の事業、サプライチェーンに関し、人権と環境に及ぼす実際もしくは潜在的な悪影響に関するデューデリジェンスの実施を義務化するもの。

 常駐代表委員会(COREPER)での立法審議では、当初2月9日に採決が行われる予定だったが、直前にドイツ政府が企業の法的責任の影響が著しく拡大することを恐れ、法案への棄権を表明し、イタリア政府も同調し棄権を表明。EU理事会での採決は、全会一致ではなく、EU人口の65%をカバーと15カ国以上の双方の条件を満たす国が賛成すると可決されるが、議長国ベルギーは、あらためて調整する必要があると判断し、採決を延期した。EU理事会では、常駐代表委員会(COREPER)での採決の後に、EU理事会そのものでの採決を行う流れになっている。

 その後、ベルギー政府は2月29日についに常駐代表委員会(COREPER)での採決を実施し、13ヶ国が賛成、1カ国が反対、13ヶ国が棄権となり、否決された。各国の投票結果は非公開で、反対したのはドイツとみられるが、スウェーデンが反対したとの報道もある。他に、イタリア、チェコ、ハンガリー、ルクセンブルク、オーストリア、フィンランドは棄権に回った可能性が高い。さらに、フランスが土壇場で、同指令の適用対象要件を大幅に縮小し、原案では、従業員500人以上かつグローバル売上が1.5億ユーロを超える大企業としていた要件を、従業員5,000人以上に大幅に引き上げる修正を要求し、さらに審議は混乱。多くの国が棄権する事態となった。

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