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【国際】先進国での石炭火力発電量が1990年代水準にまで低下。EV世界シェアも20%に到達。IEA

 国際エネルギー機関(IEA)は3月1日、2023年の世界のエネルギー由来の二酸化炭素排出量統計報告書を発行した。新型コロナウイルス・パンデミック前と比べ、エネルギー由来の排出量は900Mt増加したが、再生可能エネルギーや電気自動車(EV)、ヒートポンプ等がなければ、増加量は3倍になっていたことがわかった。

 2022年と2023年の比較では、まず、中南米以外の全ての地域で暑い日が増加。これにより夏の冷房エネルギー消費量が増えた。一方、中南米では寒い日が増え、他の地域でも冬の暖房エネルギー消費量が減少したが、全体では気温上昇により、エネルギー消費量は増える形となった。

 水力発電の設備容量は2023年に20GW増加したものの、発電量は約4%減少した。背景は、世界的な降水量の減少で、欧州以外の地域では旱魃が発生し、中国と北米で水量発電量が8%以上、インドでは15%程度減少した。

 先進国では、2023年に再生可能エネルギー発電の発電割合が34%にまで上昇し、原子力発電をあわせた割合が史上初めて50%を上回った。反対に、石炭火力発電の割合は17%にまで減少し、発電量は1900年代の水準にまで下がった。

 地域別では、米国では2023年にGDPが2.5%上昇したものの、エネルギー由来の二酸化炭素排出量は4.1%減少。再生可能エネルギー発電の増加と、石炭火力発電からガス火力発電への転換が奏功した。一方、中国では、新型コロナウイルス・パンデミックからの経済回復により排出量が大幅に増加しており、パンデミック後にエネルギー効率が逆に悪化してきていることもわかった。背景には、旱魃により水力発電の稼働率が下がったことも大きな要因。

 IEAが同時に発行した報告書「クリーンエネエルギー市場2023」によると、世界のEV新車販売台数は1,370万台となり、2022年から35%増加。新車販売に占めるEV市場シェアが20%に到達した。地域別では、中国が810万台、欧州が240万台、米国が140万台。中国では新車販売に占めるEV市場シェアが33%程度となっている。米国では2022年比の増加率が40%だった。

【参照ページ】Major growth of clean energy limited the rise in global emissions in 2023
【参照ページ】Clean Energy Market Monitor – March 2024

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 国際エネルギー機関(IEA)は3月1日、2023年の世界のエネルギー由来の二酸化炭素排出量統計報告書を発行した。新型コロナウイルス・パンデミック前と比べ、エネルギー由来の排出量は900Mt増加したが、再生可能エネルギーや電気自動車(EV)、ヒートポンプ等がなければ、増加量は3倍になっていたことがわかった。

 2022年と2023年の比較では、

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 国際エネルギー機関(IEA)は3月1日、2023年の世界のエネルギー由来の二酸化炭素排出量統計報告書を発行した。新型コロナウイルス・パンデミック前と比べ、エネルギー由来の排出量は900Mt増加したが、再生可能エネルギーや電気自動車(EV)、ヒートポンプ等がなければ、増加量は3倍になっていたことがわかった。

 2022年と2023年の比較では、

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 国際エネルギー機関(IEA)は3月1日、2023年の世界のエネルギー由来の二酸化炭素排出量統計報告書を発行した。新型コロナウイルス・パンデミック前と比べ、エネルギー由来の排出量は900Mt増加したが、再生可能エネルギーや電気自動車(EV)、ヒートポンプ等がなければ、増加量は3倍になっていたことがわかった。

 2022年と2023年の比較では、まず、中南米以外の全ての地域で暑い日が増加。これにより夏の冷房エネルギー消費量が増えた。一方、中南米では寒い日が増え、他の地域でも冬の暖房エネルギー消費量が減少したが、全体では気温上昇により、エネルギー消費量は増える形となった。

 水力発電の設備容量は2023年に20GW増加したものの、発電量は約4%減少した。背景は、世界的な降水量の減少で、欧州以外の地域では旱魃が発生し、中国と北米で水量発電量が8%以上、インドでは15%程度減少した。

 先進国では、2023年に再生可能エネルギー発電の発電割合が34%にまで上昇し、原子力発電をあわせた割合が史上初めて50%を上回った。反対に、石炭火力発電の割合は17%にまで減少し、発電量は1900年代の水準にまで下がった。

 地域別では、米国では2023年にGDPが2.5%上昇したものの、エネルギー由来の二酸化炭素排出量は4.1%減少。再生可能エネルギー発電の増加と、石炭火力発電からガス火力発電への転換が奏功した。一方、中国では、新型コロナウイルス・パンデミックからの経済回復により排出量が大幅に増加しており、パンデミック後にエネルギー効率が逆に悪化してきていることもわかった。背景には、旱魃により水力発電の稼働率が下がったことも大きな要因。

 IEAが同時に発行した報告書「クリーンエネエルギー市場2023」によると、世界のEV新車販売台数は1,370万台となり、2022年から35%増加。新車販売に占めるEV市場シェアが20%に到達した。地域別では、中国が810万台、欧州が240万台、米国が140万台。中国では新車販売に占めるEV市場シェアが33%程度となっている。米国では2022年比の増加率が40%だった。

【参照ページ】Major growth of clean energy limited the rise in global emissions in 2023
【参照ページ】Clean Energy Market Monitor – March 2024

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