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【国際】FAO、バナナ生産者リスク協議。感染症TR4蔓延。気候変動、地政学的リスクも

 国連食糧農業機関(FAO)は3月12日、第4回世界バナナフォーラム(WBF)を開催した。気候変動による影響、エネルギーや肥料等のコスト高騰、フザリウム属の病原菌感染症「Tropical Race 4(TR4)」の蔓延等、バナナ生産者が直面する様々な課題について議論が行われた。

 同フォーラムは、バナナ生産者の課題に関して議論することが目的。バナナ栽培による収入は零再農家の月収の4分の3を占め、年間100億米ドル(約1.5兆円)以上の輸出収入をもたらし、そのほとんどは発展途上国にもたらされる。発展途上国や食糧難の国にとってバナナ生産は重要なテーマ。

 同フォーラムでは、まず、2019年から蔓延しているTR4を課題視。バナナ産業では、過去にはグロス・ミシェル種が主流だったが、1950年代にフザリウム属の病原菌感染症「パナマ病」が世界的に流行し、生産数が激減。その後、パナマ病に強いキャベンディッシュ種が輸出量として大部分を占めるようになった。

 しかし近年、キャベンディッシュ種を枯らすTR4が再び流行しているため、品種の多様化が重要になっている。一方で、小売業者や消費者が食べ慣れた品種以外を受け入れないリスクもあるため、同フォーラムではバナナの遺伝的多様性の保存と活用の重要性に関する認識を高めるための試食会を開催する予定。

 また、バナナ農家の気候変動による影響も大きい。旱魃、洪水、ハリケーン等の自然災害は世界のバナナ貿易の95%以上を占める中南米とアジアの生産者に深刻な影響を与えているとした。

 世界で発生している紛争、地政学的なリスクによる輸送の混乱とコストの高騰がバナナ貿易に影響を与えている。需要面では、インフレにより消費者の購買力が低下しており、果実の品質や環境、社会的な持続可能性等に対する要求が厳しくなっていると指摘。小規模農家への影響が大きいが、時間と資源がある生産者にとっては事業、ブランド力を向上させるチャンスとした。

【参照ページ】FAO urges more cooperation in banana sector, significant for some least developed and low-income food-deficit countries and smallholder farmers

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 国連食糧農業機関(FAO)は3月12日、第4回世界バナナフォーラム(WBF)を開催した。気候変動による影響、エネルギーや肥料等のコスト高騰、フザリウム属の病原菌感染症「Tropical Race 4(TR4)」の蔓延等、バナナ生産者が直面する様々な課題について議論が行われた。

 同フォーラムは、

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 国連食糧農業機関(FAO)は3月12日、第4回世界バナナフォーラム(WBF)を開催した。気候変動による影響、エネルギーや肥料等のコスト高騰、フザリウム属の病原菌感染症「Tropical Race 4(TR4)」の蔓延等、バナナ生産者が直面する様々な課題について議論が行われた。

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 国連食糧農業機関(FAO)は3月12日、第4回世界バナナフォーラム(WBF)を開催した。気候変動による影響、エネルギーや肥料等のコスト高騰、フザリウム属の病原菌感染症「Tropical Race 4(TR4)」の蔓延等、バナナ生産者が直面する様々な課題について議論が行われた。

 同フォーラムは、バナナ生産者の課題に関して議論することが目的。バナナ栽培による収入は零再農家の月収の4分の3を占め、年間100億米ドル(約1.5兆円)以上の輸出収入をもたらし、そのほとんどは発展途上国にもたらされる。発展途上国や食糧難の国にとってバナナ生産は重要なテーマ。

 同フォーラムでは、まず、2019年から蔓延しているTR4を課題視。バナナ産業では、過去にはグロス・ミシェル種が主流だったが、1950年代にフザリウム属の病原菌感染症「パナマ病」が世界的に流行し、生産数が激減。その後、パナマ病に強いキャベンディッシュ種が輸出量として大部分を占めるようになった。

 しかし近年、キャベンディッシュ種を枯らすTR4が再び流行しているため、品種の多様化が重要になっている。一方で、小売業者や消費者が食べ慣れた品種以外を受け入れないリスクもあるため、同フォーラムではバナナの遺伝的多様性の保存と活用の重要性に関する認識を高めるための試食会を開催する予定。

 また、バナナ農家の気候変動による影響も大きい。旱魃、洪水、ハリケーン等の自然災害は世界のバナナ貿易の95%以上を占める中南米とアジアの生産者に深刻な影響を与えているとした。

 世界で発生している紛争、地政学的なリスクによる輸送の混乱とコストの高騰がバナナ貿易に影響を与えている。需要面では、インフレにより消費者の購買力が低下しており、果実の品質や環境、社会的な持続可能性等に対する要求が厳しくなっていると指摘。小規模農家への影響が大きいが、時間と資源がある生産者にとっては事業、ブランド力を向上させるチャンスとした。

【参照ページ】FAO urges more cooperation in banana sector, significant for some least developed and low-income food-deficit countries and smallholder farmers

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