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【国際】Follow This、シェルの気候変動株主提案で30%の賛成獲得。コノコ、フィリップス66では可決勝利

 エネルギー世界大手蘭ロイヤル・ダッチ・シェルは5月18日、定時株主総会を実施し、同社の取締役側が用意した「Say on Climate」議案と、環境NGOのFollow Thisによる気候変動株主提案の双方を投票にかけた。結果、取締役側の議案が圧倒的多数を獲得し可決したが、Follow Thisの株主提案も前年度を大きく上回る賛成票を獲得した。

 同社は2月、気候変動に対応するためのエネルギー転換計画を発表しており、株主総会に勧告的決議議案として提出すると表明していた。気候変動に関する計画を、法的拘束力のない勧告的決議にかける動きは、「Say on Climate」と呼ばれ、欧米企業で自発的に始まっており、企業にとって株主からの支持を明確に取り付ける狙いがある。同議案に対しては、賛成88.74%、反対11.26%で圧倒的多数で可決。一方、棄権も議決権全体の45.32%あった。

【参考】【オランダ】シェル、石油採掘を2019年にピークアウト。CCSやオフセットでCO2も2018年ピークアウト(2021年2月20日)
【参考】【国際】ヴァンシ、株主総会でSay on Climate決議を実施。カルパース等は棄権。見方分かれる(2021年4月12日)

 他方、Follow Thisの株主提案は、同社に対し、スコープ1、スコープ2、スコープ3の排出量の短期、中期、長期の定量削減目標を設定するよう要求。これに対し、同社取締役側は、2月に発表した目標や勧告的決議で目的は十分に達成されており、不必要な提案として、反対票を投じるよう株主側に促していた。結果、Follow Thisの議案では、賛成30.47%、反対69.53%で否決。棄権は議決権全体の46.71%だった。

 しかし、Follow Thisが毎年同社に提出している株主提案に関しては、2016年には2.7%しか賛成がなかったが、2020年には14.4%に到達。そして今回大きく伸長し30.47%にまで増えてきた。特に、オランダ第2位の年金基金PFZWが賛成に回り、賛成票の11%分を占めた。Follow Thisは、着実に株主の声が強まっているとし、手応えを感じている模様。

 一方で、今年の株主総会シーズンでは、Follow Thisはすでに米国で2つに株主提案で勝利をしている。5月11日に開催された米エネルギー大手コノコフィリップスの株主総会では、スコープ3の削減目標設定を要求する株主提案で58%の賛成票を獲得し可決。同日開催されたフィリップス66の株主総会でも同様に株主提案が賛成多数で可決された。

【参照ページ】Support for Follow This climate resolution more than doubles, signalling dissent over Shell’s climate plan
【参照ページ】58% of ConocoPhillips shareholders vote for Follow This climate proposal
【参照ページ】Majority votes for activist climate proposal by Follow This for the second time
【参照ページ】ANNUAL GENERAL MEETING

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 エネルギー世界大手蘭ロイヤル・ダッチ・シェルは5月18日、定時株主総会を実施し、同社の取締役側が用意した「Say on Climate」議案と、環境NGOのFollow Thisによる気候変動株主提案の双方を投票にかけた。結果、取締役側の議案が圧倒的多数を獲得し可決したが、Follow Thisの株主提案も前年度を大きく上回る賛成票を獲得した。

 同社は2月、

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 エネルギー世界大手蘭ロイヤル・ダッチ・シェルは5月18日、定時株主総会を実施し、同社の取締役側が用意した「Say on Climate」議案と、環境NGOのFollow Thisによる気候変動株主提案の双方を投票にかけた。結果、取締役側の議案が圧倒的多数を獲得し可決したが、Follow Thisの株主提案も前年度を大きく上回る賛成票を獲得した。

 同社は2月、

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 エネルギー世界大手蘭ロイヤル・ダッチ・シェルは5月18日、定時株主総会を実施し、同社の取締役側が用意した「Say on Climate」議案と、環境NGOのFollow Thisによる気候変動株主提案の双方を投票にかけた。結果、取締役側の議案が圧倒的多数を獲得し可決したが、Follow Thisの株主提案も前年度を大きく上回る賛成票を獲得した。

 同社は2月、気候変動に対応するためのエネルギー転換計画を発表しており、株主総会に勧告的決議議案として提出すると表明していた。気候変動に関する計画を、法的拘束力のない勧告的決議にかける動きは、「Say on Climate」と呼ばれ、欧米企業で自発的に始まっており、企業にとって株主からの支持を明確に取り付ける狙いがある。同議案に対しては、賛成88.74%、反対11.26%で圧倒的多数で可決。一方、棄権も議決権全体の45.32%あった。

【参考】【オランダ】シェル、石油採掘を2019年にピークアウト。CCSやオフセットでCO2も2018年ピークアウト(2021年2月20日)
【参考】【国際】ヴァンシ、株主総会でSay on Climate決議を実施。カルパース等は棄権。見方分かれる(2021年4月12日)

 他方、Follow Thisの株主提案は、同社に対し、スコープ1、スコープ2、スコープ3の排出量の短期、中期、長期の定量削減目標を設定するよう要求。これに対し、同社取締役側は、2月に発表した目標や勧告的決議で目的は十分に達成されており、不必要な提案として、反対票を投じるよう株主側に促していた。結果、Follow Thisの議案では、賛成30.47%、反対69.53%で否決。棄権は議決権全体の46.71%だった。

 しかし、Follow Thisが毎年同社に提出している株主提案に関しては、2016年には2.7%しか賛成がなかったが、2020年には14.4%に到達。そして今回大きく伸長し30.47%にまで増えてきた。特に、オランダ第2位の年金基金PFZWが賛成に回り、賛成票の11%分を占めた。Follow Thisは、着実に株主の声が強まっているとし、手応えを感じている模様。

 一方で、今年の株主総会シーズンでは、Follow Thisはすでに米国で2つに株主提案で勝利をしている。5月11日に開催された米エネルギー大手コノコフィリップスの株主総会では、スコープ3の削減目標設定を要求する株主提案で58%の賛成票を獲得し可決。同日開催されたフィリップス66の株主総会でも同様に株主提案が賛成多数で可決された。

【参照ページ】Support for Follow This climate resolution more than doubles, signalling dissent over Shell’s climate plan
【参照ページ】58% of ConocoPhillips shareholders vote for Follow This climate proposal
【参照ページ】Majority votes for activist climate proposal by Follow This for the second time
【参照ページ】ANNUAL GENERAL MEETING

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