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【国際】国連グローバル・コンパクト、企業向け「公正な移行」ガイダンス発行。10のアクション

 国連グローバル・コンパクト(UNGC)は5月17日、企業に向け、化石燃料によるエネルギーシステムから再生可能エネルギーによるエネルギーシステムへの移行を加速させる提言をまとめた「公正な移行(ジャスト・トランジション)と再生可能エネルギーに関するガイダンス」を発表した。

 同ガイダンスは、国際労働機関(ILO)と国際労働組合総連合(ITUC)が2021年の国連気候変動枠組条約第26回グラスゴー締約国会議(COP26)で発足したプログラム「ジャスト・トランジションに関するシンクラボ」が作成した。同プログラムには、国連責任投資原則(PRI)、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、国連環境計画(UNEP)、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局、CDP、国連児童基金(UNICEF)、世界資源研究所(WRI)、ストックホルム環境研究所(SEI)、公正な移行センター、人権とビジネス研究所(IHRB)、Sustainable Energy for All等がパートナー機関として参画している。

 「ジャスト・トランジションに関するシンクラボ」には、各国から企業も招聘されており、APモラー・マースク、ジョンソン・コントロールズ、イベルドローラ、マヒンドラ・グループ、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、ムーディーズ、ナショナル・オーストラリア銀行、ネスレ、ノボザイムス、エネル、セメックス、友邦保険(AIAグループ)、レノボ・グループ、LONGi(隆基緑能科技)、オーステッド、ユニリーバ、ウィプロ、マジドアル・フッタイム・グループ、ザッピ・南アフリカ等が参加している。日本からの招聘企業はなし。

 同ガイダンスは、気候変動対策が喫緊の課題と捉えた上で、すべての人の人権とより大きな自由を確保し、気候変動と環境破壊を食い止めるための経済・社会の変革に拍車をかける強力な社会契約の進展を支援するためのもの。パリ協定は「労働力の公正な移行とディーセント・ワークおよび質の高い雇用の創出という必須事項」を初めて強調した文書でもあり、その視点は、2021年のグラスゴー気候協定でも確認された。

【参考】【国際】COP26「グラスゴー気候協定」採択し閉幕。1.5℃目標がデファクト化。化石燃料廃止への表現も(2021年11月15日)

 公正な移行では、すでに、ILOから各国政府向けに、「すべての人のための環境的に持続可能な経済・社会への公正な移行のためのガイドライン」を発行しており、失われる雇用よりも機会が上回る公正な移行を確保するために努力するよう呼びかけている。他方、今回のガイダンスは、企業の役割に焦点を当て、アクションを促した。特に、公正な移行を促進するための再生可能エネルギー企業と、持続可能な方法で生産されたエネルギーを求める「オフテーカー(エネルギー消費大企業)」が対象となっている。

 具体的には、10の提言をまとめた。

  • ジャスト・トランジションのための計画準備:ILOジャスト・トランジションガイドラインを軸に
  • 野心的な目標の公表と進捗の報告:再生可能エネルギー100%への野心的な環境目標
  • インクルーシブと透明性:従業員との対話
  • 人権の尊重:再生可能エネルギー開発に伴う先住民の権利尊重を含む国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)に基づく対処
  • 職場のダイバーシティ追求:各地方でのスキル開発投資とジェンダー、年齢、民族に関するダイバーシティ確保
  • 地域コミュニティへの投資:化石燃料産業への依存コミュニティの産業転換を支援
  • 地域生態系の尊重:再生可能エネルギー開発での生物多様性喪失や森林等の生態系劣化の防止
  • ジャスト・トランジションのためのアドボカシー:政府への適切なアドボカシー
  • 支配的な反対の声の転換:再生可能エネルギーは高すぎる、信頼できない、難しすぎるという反対の声を転換させる機会と責任
  • 他のセクターへの知見提供:エネルギーセクターでのジャスト・トランジションの知見を自動車、農業、製造業等に提供

 また同ガイダンスでは、企業向けの10の提言の実践を促すため、政府に対し、移行に必要な政策を策定することも要請した。

 ジャスト・トランジションの各企業評価については、World Benchmarking Alliance(WBA)が2023年に世界450社を対象に実施する計画を発表している。すでに2021年にパイロット版が発表され、日本企業も対象となっている。

【参照ページ】UN Global Compact launches business guidance on Just Transition and Renewable Energy
【参照ページ】2021 Just Transition Assessment
【参照ページ】The Methodology for the 2021 Just Transition Assessment

 国連グローバル・コンパクト(UNGC)は5月17日、企業に向け、化石燃料によるエネルギーシステムから再生可能エネルギーによるエネルギーシステムへの移行を加速させる提言をまとめた「公正な移行(ジャスト・トランジション)と再生可能エネルギーに関するガイダンス」を発表した。

 同ガイダンスは、国際労働機関(ILO)と国際労働組合総連合(ITUC)が2021年の国連気候変動枠組条約第26回グラスゴー締約国会議(COP26)で発足したプログラム「ジャスト・トランジションに関するシンクラボ」が作成した。同プログラムには、国連責任投資原則(PRI)、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、国連環境計画(UNEP)、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局、CDP、国連児童基金(UNICEF)、世界資源研究所(WRI)、ストックホルム環境研究所(SEI)、公正な移行センター、人権とビジネス研究所(IHRB)、Sustainable Energy for All等がパートナー機関として参画している。

 「ジャスト・トランジションに関するシンクラボ」には、各国から企業も招聘されており、APモラー・マースク、ジョンソン・コントロールズ、イベルドローラ、マヒンドラ・グループ、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、ムーディーズ、ナショナル・オーストラリア銀行、ネスレ、ノボザイムス、エネル、セメックス、友邦保険(AIAグループ)、レノボ・グループ、LONGi(隆基緑能科技)、オーステッド、ユニリーバ、ウィプロ、マジドアル・フッタイム・グループ、ザッピ・南アフリカ等が参加している。日本からの招聘企業はなし。

 同ガイダンスは、気候変動対策が喫緊の課題と捉えた上で、すべての人の人権とより大きな自由を確保し、気候変動と環境破壊を食い止めるための経済・社会の変革に拍車をかける強力な社会契約の進展を支援するためのもの。パリ協定は「労働力の公正な移行とディーセント・ワークおよび質の高い雇用の創出という必須事項」を初めて強調した文書でもあり、その視点は、2021年のグラスゴー気候協定でも確認された。

【参考】【国際】COP26「グラスゴー気候協定」採択し閉幕。1.5℃目標がデファクト化。化石燃料廃止への表現も(2021年11月15日)

 公正な移行では、すでに、ILOから各国政府向けに、「すべての人のための環境的に持続可能な経済・社会への公正な移行のためのガイドライン」を発行しており、失われる雇用よりも機会が上回る公正な移行を確保するために努力するよう呼びかけている。他方、今回のガイダンスは、企業の役割に焦点を当て、アクションを促した。特に、公正な移行を促進するための再生可能エネルギー企業と、持続可能な方法で生産されたエネルギーを求める「オフテーカー(エネルギー消費大企業)」が対象となっている。

 具体的には、10の提言をまとめた。

  • ジャスト・トランジションのための計画準備:ILOジャスト・トランジションガイドラインを軸に
  • 野心的な目標の公表と進捗の報告:再生可能エネルギー100%への野心的な環境目標
  • インクルーシブと透明性:従業員との対話
  • 人権の尊重:再生可能エネルギー開発に伴う先住民の権利尊重を含む国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)に基づく対処
  • 職場のダイバーシティ追求:各地方でのスキル開発投資とジェンダー、年齢、民族に関するダイバーシティ確保
  • 地域コミュニティへの投資:化石燃料産業への依存コミュニティの産業転換を支援
  • 地域生態系の尊重:再生可能エネルギー開発での生物多様性喪失や森林等の生態系劣化の防止
  • ジャスト・トランジションのためのアドボカシー:政府への適切なアドボカシー
  • 支配的な反対の声の転換:再生可能エネルギーは高すぎる、信頼できない、難しすぎるという反対の声を転換させる機会と責任
  • 他のセクターへの知見提供:エネルギーセクターでのジャスト・トランジションの知見を自動車、農業、製造業等に提供

 また同ガイダンスでは、企業向けの10の提言の実践を促すため、政府に対し、移行に必要な政策を策定することも要請した。

 ジャスト・トランジションの各企業評価については、World Benchmarking Alliance(WBA)が2023年に世界450社を対象に実施する計画を発表している。すでに2021年にパイロット版が発表され、日本企業も対象となっている。

【参照ページ】UN Global Compact launches business guidance on Just Transition and Renewable Energy
【参照ページ】2021 Just Transition Assessment
【参照ページ】The Methodology for the 2021 Just Transition Assessment

 国連グローバル・コンパクト(UNGC)は5月17日、企業に向け、化石燃料によるエネルギーシステムから再生可能エネルギーによるエネルギーシステムへの移行を加速させる提言をまとめた「公正な移行(ジャスト・トランジション)と再生可能エネルギーに関するガイダンス」を発表した。

 同ガイダンスは、国際労働機関(ILO)と国際労働組合総連合(ITUC)が2021年の国連気候変動枠組条約第26回グラスゴー締約国会議(COP26)で発足したプログラム「ジャスト・トランジションに関するシンクラボ」が作成した。同プログラムには、国連責任投資原則(PRI)、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、国連環境計画(UNEP)、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局、CDP、国連児童基金(UNICEF)、世界資源研究所(WRI)、ストックホルム環境研究所(SEI)、公正な移行センター、人権とビジネス研究所(IHRB)、Sustainable Energy for All等がパートナー機関として参画している。

 「ジャスト・トランジションに関するシンクラボ」には、各国から企業も招聘されており、APモラー・マースク、ジョンソン・コントロールズ、イベルドローラ、マヒンドラ・グループ、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、ムーディーズ、ナショナル・オーストラリア銀行、ネスレ、ノボザイムス、エネル、セメックス、友邦保険(AIAグループ)、レノボ・グループ、LONGi(隆基緑能科技)、オーステッド、ユニリーバ、ウィプロ、マジドアル・フッタイム・グループ、ザッピ・南アフリカ等が参加している。日本からの招聘企業はなし。

 同ガイダンスは、気候変動対策が喫緊の課題と捉えた上で、すべての人の人権とより大きな自由を確保し、気候変動と環境破壊を食い止めるための経済・社会の変革に拍車をかける強力な社会契約の進展を支援するためのもの。パリ協定は「労働力の公正な移行とディーセント・ワークおよび質の高い雇用の創出という必須事項」を初めて強調した文書でもあり、その視点は、2021年のグラスゴー気候協定でも確認された。

【参考】【国際】COP26「グラスゴー気候協定」採択し閉幕。1.5℃目標がデファクト化。化石燃料廃止への表現も(2021年11月15日)

 公正な移行では、すでに、ILOから各国政府向けに、「すべての人のための環境的に持続可能な経済・社会への公正な移行のためのガイドライン」を発行しており、失われる雇用よりも機会が上回る公正な移行を確保するために努力するよう呼びかけている。他方、今回のガイダンスは、企業の役割に焦点を当て、アクションを促した。特に、公正な移行を促進するための再生可能エネルギー企業と、持続可能な方法で生産されたエネルギーを求める「オフテーカー(エネルギー消費大企業)」が対象となっている。

 具体的には、10の提言をまとめた。

  • ジャスト・トランジションのための計画準備:ILOジャスト・トランジションガイドラインを軸に
  • 野心的な目標の公表と進捗の報告:再生可能エネルギー100%への野心的な環境目標
  • インクルーシブと透明性:従業員との対話
  • 人権の尊重:再生可能エネルギー開発に伴う先住民の権利尊重を含む国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)に基づく対処
  • 職場のダイバーシティ追求:各地方でのスキル開発投資とジェンダー、年齢、民族に関するダイバーシティ確保
  • 地域コミュニティへの投資:化石燃料産業への依存コミュニティの産業転換を支援
  • 地域生態系の尊重:再生可能エネルギー開発での生物多様性喪失や森林等の生態系劣化の防止
  • ジャスト・トランジションのためのアドボカシー:政府への適切なアドボカシー
  • 支配的な反対の声の転換:再生可能エネルギーは高すぎる、信頼できない、難しすぎるという反対の声を転換させる機会と責任
  • 他のセクターへの知見提供:エネルギーセクターでのジャスト・トランジションの知見を自動車、農業、製造業等に提供

 また同ガイダンスでは、企業向けの10の提言の実践を促すため、政府に対し、移行に必要な政策を策定することも要請した。

 ジャスト・トランジションの各企業評価については、World Benchmarking Alliance(WBA)が2023年に世界450社を対象に実施する計画を発表している。すでに2021年にパイロット版が発表され、日本企業も対象となっている。

【参照ページ】UN Global Compact launches business guidance on Just Transition and Renewable Energy
【参照ページ】2021 Just Transition Assessment
【参照ページ】The Methodology for the 2021 Just Transition Assessment

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 国連グローバル・コンパクト(UNGC)は5月17日、企業に向け、化石燃料によるエネルギーシステムから再生可能エネルギーによるエネルギーシステムへの移行を加速させる提言をまとめた「公正な移行(ジャスト・トランジション)と再生可能エネルギーに関するガイダンス」を発表した。

 同ガイダンスは、国際労働機関(ILO)と国際労働組合総連合(ITUC)が2021年の国連気候変動枠組条約第26回グラスゴー締約国会議(COP26)で発足したプログラム「ジャスト・トランジションに関するシンクラボ」が作成した。同プログラムには、国連責任投資原則(PRI)、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、国連環境計画(UNEP)、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局、CDP、国連児童基金(UNICEF)、世界資源研究所(WRI)、ストックホルム環境研究所(SEI)、公正な移行センター、人権とビジネス研究所(IHRB)、Sustainable Energy for All等がパートナー機関として参画している。

 「ジャスト・トランジションに関するシンクラボ」には、各国から企業も招聘されており、APモラー・マースク、ジョンソン・コントロールズ、イベルドローラ、マヒンドラ・グループ、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、ムーディーズ、ナショナル・オーストラリア銀行、ネスレ、ノボザイムス、エネル、セメックス、友邦保険(AIAグループ)、レノボ・グループ、LONGi(隆基緑能科技)、オーステッド、ユニリーバ、ウィプロ、マジドアル・フッタイム・グループ、ザッピ・南アフリカ等が参加している。日本からの招聘企業はなし。

 同ガイダンスは、気候変動対策が喫緊の課題と捉えた上で、すべての人の人権とより大きな自由を確保し、気候変動と環境破壊を食い止めるための経済・社会の変革に拍車をかける強力な社会契約の進展を支援するためのもの。パリ協定は「労働力の公正な移行とディーセント・ワークおよび質の高い雇用の創出という必須事項」を初めて強調した文書でもあり、その視点は、2021年のグラスゴー気候協定でも確認された。

【参考】【国際】COP26「グラスゴー気候協定」採択し閉幕。1.5℃目標がデファクト化。化石燃料廃止への表現も(2021年11月15日)

 公正な移行では、すでに、ILOから各国政府向けに、「すべての人のための環境的に持続可能な経済・社会への公正な移行のためのガイドライン」を発行しており、失われる雇用よりも機会が上回る公正な移行を確保するために努力するよう呼びかけている。他方、今回のガイダンスは、企業の役割に焦点を当て、アクションを促した。特に、公正な移行を促進するための再生可能エネルギー企業と、持続可能な方法で生産されたエネルギーを求める「オフテーカー(エネルギー消費大企業)」が対象となっている。

 具体的には、10の提言をまとめた。

  • ジャスト・トランジションのための計画準備:ILOジャスト・トランジションガイドラインを軸に
  • 野心的な目標の公表と進捗の報告:再生可能エネルギー100%への野心的な環境目標
  • インクルーシブと透明性:従業員との対話
  • 人権の尊重:再生可能エネルギー開発に伴う先住民の権利尊重を含む国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)に基づく対処
  • 職場のダイバーシティ追求:各地方でのスキル開発投資とジェンダー、年齢、民族に関するダイバーシティ確保
  • 地域コミュニティへの投資:化石燃料産業への依存コミュニティの産業転換を支援
  • 地域生態系の尊重:再生可能エネルギー開発での生物多様性喪失や森林等の生態系劣化の防止
  • ジャスト・トランジションのためのアドボカシー:政府への適切なアドボカシー
  • 支配的な反対の声の転換:再生可能エネルギーは高すぎる、信頼できない、難しすぎるという反対の声を転換させる機会と責任
  • 他のセクターへの知見提供:エネルギーセクターでのジャスト・トランジションの知見を自動車、農業、製造業等に提供

 また同ガイダンスでは、企業向けの10の提言の実践を促すため、政府に対し、移行に必要な政策を策定することも要請した。

 ジャスト・トランジションの各企業評価については、World Benchmarking Alliance(WBA)が2023年に世界450社を対象に実施する計画を発表している。すでに2021年にパイロット版が発表され、日本企業も対象となっている。

【参照ページ】UN Global Compact launches business guidance on Just Transition and Renewable Energy
【参照ページ】2021 Just Transition Assessment
【参照ページ】The Methodology for the 2021 Just Transition Assessment