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【EU】EU理事会、ユーロ7でEV転換優先し、内燃機関基準据置きの方針採択。マイクロプラ規制導入も

 EU加盟国閣僚級のEU理事会は9月25日、自動車の新たな排ガス規制基準「ユーロ7」案に対する「一般的アプローチ」を採択した。欧州委員会が2022年11月に発表した原案を緩和したい方針を固めた。

【参考】【EU】欧州委、排ガス新基準「ユーロ7」案発表。タイヤとブレーキのマイクロプラも規制(2022年11月20日)

 「一般的アプローチ」採択とは、通常の立法手続きの一環で、欧州議会でのEU法案の審議が始まる前に、EU理事会としての見解を非公式にとりまとめ、欧州議会に送付するもの。正式には、欧州議会で可決された後に、EU理事会に送られ、そこで正式な可決手続きが行われる。

 ユーロ7は、行の基準では自動車・バン向けの「ユーロ6」とトラック・バス向けの「ユーロVI」で、別々に定められていた排ガス規制基準を一本化し、電気自動車(EV)を含むすべての車両で一律の基準を設けるもの。大型自動車にも、一酸化二窒素(N2O)も規制対象が適用され、タイヤやブレーキが点源となるマイクロプラスチックの規制基準、EVバッテリーの耐久性基準も、世界で初めて新規導入される予定。

 欧州委員会の原案では、ガソリン・ディーゼル車のゼロエミッション車(ZEV)転換が進められる中で、内燃機関や排ガス系の改善も同時に進めることを求める内容となっている。そのため、欧州自動車工業会(ACEA)は、EV転換を優先し、ユーロ7ではタイヤやブレーキからのマイクロプラスチック規制に集中すべきだと伝えていた。

 同様に、フランス、イタリア、チェコ、スロバキア、ハンガリー、ポーランド、スウェーデン、ルーマニア、ブルガリアの8ヶ国政府も5月、EU理事会議長国スペインと欧州委員会に対し、EV転換を遅らせることにつながるとの懸念を表明していた。ドイツについても、ユーロ7に反対していたが、8ヶ国との協調は取らなかった。理由としては、国内の政治的な理由によるものだという。

 EU理事会は今回、乗用車とバンについては、試験条件と排ガス規制値を現行のユーロ6に据え置くとともに、大型商用車ではユーロ6/VIから規制値を引下げ、試験条件も現状にあうように調整することで合意。ブレーキ粒子排出規制値とタイヤ摩耗率規制値に関しては、国連欧州経済委員会(UNECE)が採択した国際基準との整合性を強化するよう求めた。路線バスの2030年カーボンニュートラル目標については受け入れる考え。

 また、自動車メーカーに確立した規制内容が早く明確になるように、欧州委員会が定める施行令の採択にも期限を設けていくことで合意した。

【参照ページ】Euro 7: Council adopts position on emissions from cars, vans, buses and trucks

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 EU加盟国閣僚級のEU理事会は9月25日、自動車の新たな排ガス規制基準「ユーロ7」案に対する「一般的アプローチ」を採択した。欧州委員会が2022年11月に発表した原案を緩和したい方針を固めた。

【参考】【EU】欧州委、排ガス新基準「ユーロ7」案発表。タイヤとブレーキのマイクロプラも規制(2022年11月20日)

 「一般的アプローチ」採択とは、

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 EU加盟国閣僚級のEU理事会は9月25日、自動車の新たな排ガス規制基準「ユーロ7」案に対する「一般的アプローチ」を採択した。欧州委員会が2022年11月に発表した原案を緩和したい方針を固めた。

【参考】【EU】欧州委、排ガス新基準「ユーロ7」案発表。タイヤとブレーキのマイクロプラも規制(2022年11月20日)

 「一般的アプローチ」採択とは、

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 EU加盟国閣僚級のEU理事会は9月25日、自動車の新たな排ガス規制基準「ユーロ7」案に対する「一般的アプローチ」を採択した。欧州委員会が2022年11月に発表した原案を緩和したい方針を固めた。

【参考】【EU】欧州委、排ガス新基準「ユーロ7」案発表。タイヤとブレーキのマイクロプラも規制(2022年11月20日)

 「一般的アプローチ」採択とは、通常の立法手続きの一環で、欧州議会でのEU法案の審議が始まる前に、EU理事会としての見解を非公式にとりまとめ、欧州議会に送付するもの。正式には、欧州議会で可決された後に、EU理事会に送られ、そこで正式な可決手続きが行われる。

 ユーロ7は、行の基準では自動車・バン向けの「ユーロ6」とトラック・バス向けの「ユーロVI」で、別々に定められていた排ガス規制基準を一本化し、電気自動車(EV)を含むすべての車両で一律の基準を設けるもの。大型自動車にも、一酸化二窒素(N2O)も規制対象が適用され、タイヤやブレーキが点源となるマイクロプラスチックの規制基準、EVバッテリーの耐久性基準も、世界で初めて新規導入される予定。

 欧州委員会の原案では、ガソリン・ディーゼル車のゼロエミッション車(ZEV)転換が進められる中で、内燃機関や排ガス系の改善も同時に進めることを求める内容となっている。そのため、欧州自動車工業会(ACEA)は、EV転換を優先し、ユーロ7ではタイヤやブレーキからのマイクロプラスチック規制に集中すべきだと伝えていた。

 同様に、フランス、イタリア、チェコ、スロバキア、ハンガリー、ポーランド、スウェーデン、ルーマニア、ブルガリアの8ヶ国政府も5月、EU理事会議長国スペインと欧州委員会に対し、EV転換を遅らせることにつながるとの懸念を表明していた。ドイツについても、ユーロ7に反対していたが、8ヶ国との協調は取らなかった。理由としては、国内の政治的な理由によるものだという。

 EU理事会は今回、乗用車とバンについては、試験条件と排ガス規制値を現行のユーロ6に据え置くとともに、大型商用車ではユーロ6/VIから規制値を引下げ、試験条件も現状にあうように調整することで合意。ブレーキ粒子排出規制値とタイヤ摩耗率規制値に関しては、国連欧州経済委員会(UNECE)が採択した国際基準との整合性を強化するよう求めた。路線バスの2030年カーボンニュートラル目標については受け入れる考え。

 また、自動車メーカーに確立した規制内容が早く明確になるように、欧州委員会が定める施行令の採択にも期限を設けていくことで合意した。

【参照ページ】Euro 7: Council adopts position on emissions from cars, vans, buses and trucks

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