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【国際】ライオンデルバセル、ピジョン哺乳瓶にバイオポリマー提供。サーキュラーで存在感

 化学世界大手蘭ライオンデルバセルは12月13日、ピジョンのシンガポール子会社ピジョン・シンガポール都の間で、哺乳瓶の持続可能な研究開発でパートナーシップを発表した。ピジョンは哺乳瓶素材で、ライオンデルバセルのバイオ由来のポリプロピレン・ポリマー「サーキュレンリニュー・ポリマー」を採用し、製品をリニューアルする。

 今回のパートナーシップでは、ピジョンがリニューアルした哺乳びん「ソフタッチTエステル」「PPSU」「ガラス」のキャップとフード、PP哺乳瓶・PPストローびんのキャップ、フード、ボトルに、ライオンデルバセルの「サーキュレンリニュー・ポリマー」を採用。また、PPストローボトルのボトルハンドルでも採用した。

 「サーキュレンリニュー・ポリマー」は、バイオベースの廃棄物や使用済み食用油等の残渣油を原料ととして生産。従来の生産工程で従来の原料に混合され、マスバランスアプローチを使用して製品化している。ISCC PLUS認証も取得済み。

 ピジョンは、岩谷産業及びライオンデルバセルと連携し、「サーキュレンリニュー」を使用した介護用ボトル「ピジョンソフタッチ」のリニューアルシリーズを、2023年12月からインドネシアで発売。2024年からは東南アジア、中東、アフリカ、オセアニア等の市場でも発売する予定。

 ライオンデルバセルは昨今、サーキュラーエコノミービジネスに力を入れている。2023年10月には、米ケミカルリサイクル技術開発Agilyxとエクソンモービルが2021年に発足したケミカルリサイクル推進コンソーシアム企業Cyclyx Internationalに出資し、株式25%を取得。この出資により、Cyclyx Internationalは、ライセンスモデルから、サイクリックス・サーキュラリティ・センター(CCC)建設によるメーカーモデルへの事業拡張を発表している。

【参考】【アメリカ】ダウ、Cyclyxのコンソーシアムに加盟。ケミカルリサイクル促進(2022年1月21日)
【参考】【国際】ケミカルリサイクルAgilyx、事業飛躍。廃プラ分別でエクソンモービルと合弁。ブラスケムとは共同研究(2020年12月22日)
【参考】【アメリカ】ブラスケム、Cyclyxの創業メンバー参画。フィードストック型ケミカルリサイクル(2021年5月2日)

 2023年11月には、同社独自ケミカルリサイクル技術「MoReTec」を活用した大規模リサイクル工場のドイツ・ヴェッセリンでの建設を最終投資決定したと発表。同プラント建設では、EUイノーベーション基金から4,000万ユーロの補助金を受けることも決まった。

【参考】【ドイツ】ライオンデルバセル、大規模ケミカルリサイクルプラント最終投資決定(2023年12月14日)

 2023年12月には、海洋プラスチック廃棄物を原料の一部とする射出成形樹脂素材「サーキュレンリカバーPPC TRC 2179N」もリリース。漁網を原料とし、自動車部品向けの樹脂素材として提供していくことも発表している。

 同社は2023年12月、米国で再生可能エネルギーの電力購入契約(PPA)を2件締結し、1,366MWを確保。これにより、2030年までに再生可能エネルギー電力比率50%以上としている目標のうち89%を達成見込みとした。同社のスコープ1と2のうち電力消費が15%を占める。

 1月16日には、サウジアラビアを拠点とするナショナル・ペトロケミカル・インダストリアル・カンパニー(NATPET)の株式35%を、同国のアルジャインから約5億ベイドルで取得する契約を締結したことも発表。ライオンデルバセルのポリプロピレン(PP)製造技術「スフェリポール」を活用し、原料アクセスと販売で戦略的地位を得たとしている。

 アルジャインとライオンデルバセルは、最終的な出資決定を前提に、NATPETの敷地内にプロパン脱水素(PDH)及びPP設備を新設する可能性も共同で検討している。同プロジェクトは、サウジアラビアの2060年カーボンニュートラル戦略に沿ったソリューションとして位置づけられている。PDHは、天然ガスをプロピレンと水素に分解する技術として注目を集めている。

【参照ページ】LyondellBasell and Pigeon Singapore Collaborate to Incorporate CirculenRenew Polymers in Nursing Bottles
【参照ページ】LyondellBasell acquires 25% of Cyclyx joint venture, joining Agilyx and ExxonMobil to accelerate plastic waste recycling
【参照ページ】LyondellBasell Advanced Recycling Project Selected For EU Innovation Fund Grant
【参照ページ】LyondellBasell Introduces New Plastics Made from Recycled Marine Maritime Gear
【参照ページ】LyondellBasell edges closer to meeting its 2030 renewable energy target
【参照ページ】LYB Enters into Agreement to Acquire 35% of Saudi Arabia-based NATPET; Expands Core PP Business

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 化学世界大手蘭ライオンデルバセルは12月13日、ピジョンのシンガポール子会社ピジョン・シンガポール都の間で、哺乳瓶の持続可能な研究開発でパートナーシップを発表した。ピジョンは哺乳瓶素材で、ライオンデルバセルのバイオ由来のポリプロピレン・ポリマー「サーキュレンリニュー・ポリマー」を採用し、製品をリニューアルする。

 今回のパートナーシップでは、

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 化学世界大手蘭ライオンデルバセルは12月13日、ピジョンのシンガポール子会社ピジョン・シンガポール都の間で、哺乳瓶の持続可能な研究開発でパートナーシップを発表した。ピジョンは哺乳瓶素材で、ライオンデルバセルのバイオ由来のポリプロピレン・ポリマー「サーキュレンリニュー・ポリマー」を採用し、製品をリニューアルする。

 今回のパートナーシップでは、

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 化学世界大手蘭ライオンデルバセルは12月13日、ピジョンのシンガポール子会社ピジョン・シンガポール都の間で、哺乳瓶の持続可能な研究開発でパートナーシップを発表した。ピジョンは哺乳瓶素材で、ライオンデルバセルのバイオ由来のポリプロピレン・ポリマー「サーキュレンリニュー・ポリマー」を採用し、製品をリニューアルする。

 今回のパートナーシップでは、ピジョンがリニューアルした哺乳びん「ソフタッチTエステル」「PPSU」「ガラス」のキャップとフード、PP哺乳瓶・PPストローびんのキャップ、フード、ボトルに、ライオンデルバセルの「サーキュレンリニュー・ポリマー」を採用。また、PPストローボトルのボトルハンドルでも採用した。

 「サーキュレンリニュー・ポリマー」は、バイオベースの廃棄物や使用済み食用油等の残渣油を原料ととして生産。従来の生産工程で従来の原料に混合され、マスバランスアプローチを使用して製品化している。ISCC PLUS認証も取得済み。

 ピジョンは、岩谷産業及びライオンデルバセルと連携し、「サーキュレンリニュー」を使用した介護用ボトル「ピジョンソフタッチ」のリニューアルシリーズを、2023年12月からインドネシアで発売。2024年からは東南アジア、中東、アフリカ、オセアニア等の市場でも発売する予定。

 ライオンデルバセルは昨今、サーキュラーエコノミービジネスに力を入れている。2023年10月には、米ケミカルリサイクル技術開発Agilyxとエクソンモービルが2021年に発足したケミカルリサイクル推進コンソーシアム企業Cyclyx Internationalに出資し、株式25%を取得。この出資により、Cyclyx Internationalは、ライセンスモデルから、サイクリックス・サーキュラリティ・センター(CCC)建設によるメーカーモデルへの事業拡張を発表している。

【参考】【アメリカ】ダウ、Cyclyxのコンソーシアムに加盟。ケミカルリサイクル促進(2022年1月21日)
【参考】【国際】ケミカルリサイクルAgilyx、事業飛躍。廃プラ分別でエクソンモービルと合弁。ブラスケムとは共同研究(2020年12月22日)
【参考】【アメリカ】ブラスケム、Cyclyxの創業メンバー参画。フィードストック型ケミカルリサイクル(2021年5月2日)

 2023年11月には、同社独自ケミカルリサイクル技術「MoReTec」を活用した大規模リサイクル工場のドイツ・ヴェッセリンでの建設を最終投資決定したと発表。同プラント建設では、EUイノーベーション基金から4,000万ユーロの補助金を受けることも決まった。

【参考】【ドイツ】ライオンデルバセル、大規模ケミカルリサイクルプラント最終投資決定(2023年12月14日)

 2023年12月には、海洋プラスチック廃棄物を原料の一部とする射出成形樹脂素材「サーキュレンリカバーPPC TRC 2179N」もリリース。漁網を原料とし、自動車部品向けの樹脂素材として提供していくことも発表している。

 同社は2023年12月、米国で再生可能エネルギーの電力購入契約(PPA)を2件締結し、1,366MWを確保。これにより、2030年までに再生可能エネルギー電力比率50%以上としている目標のうち89%を達成見込みとした。同社のスコープ1と2のうち電力消費が15%を占める。

 1月16日には、サウジアラビアを拠点とするナショナル・ペトロケミカル・インダストリアル・カンパニー(NATPET)の株式35%を、同国のアルジャインから約5億ベイドルで取得する契約を締結したことも発表。ライオンデルバセルのポリプロピレン(PP)製造技術「スフェリポール」を活用し、原料アクセスと販売で戦略的地位を得たとしている。

 アルジャインとライオンデルバセルは、最終的な出資決定を前提に、NATPETの敷地内にプロパン脱水素(PDH)及びPP設備を新設する可能性も共同で検討している。同プロジェクトは、サウジアラビアの2060年カーボンニュートラル戦略に沿ったソリューションとして位置づけられている。PDHは、天然ガスをプロピレンと水素に分解する技術として注目を集めている。

【参照ページ】LyondellBasell and Pigeon Singapore Collaborate to Incorporate CirculenRenew Polymers in Nursing Bottles
【参照ページ】LyondellBasell acquires 25% of Cyclyx joint venture, joining Agilyx and ExxonMobil to accelerate plastic waste recycling
【参照ページ】LyondellBasell Advanced Recycling Project Selected For EU Innovation Fund Grant
【参照ページ】LyondellBasell Introduces New Plastics Made from Recycled Marine Maritime Gear
【参照ページ】LyondellBasell edges closer to meeting its 2030 renewable energy target
【参照ページ】LYB Enters into Agreement to Acquire 35% of Saudi Arabia-based NATPET; Expands Core PP Business

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