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【国際】IIGCC、ネットゼロ投資フレームワーク策定。すでに920兆円の投資家がコミット。世界展開へ

 気候変動対応を企業に求める欧州機関投資家団体IIGCCは3月10日、気候変動対策のために、2050年までに二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)を実現するため、機関投資家向けが採るべきアクションをまとめたフレームワーク「ネットゼロ投資フレームワーク」を発表した。8月に原案を発表し、パブリックコメントを募集していた。

【参考】【ヨーロッパ】IIGCC、2050年カーボンニュートラル実現の投資フレームワーク案策定。70以上の機関投資家参画(2020年8月7日)

 今回のフレームワークは、IIGCCが2019年5月に発足した「パリ協定と整合した投資イニシアチブ(PAII)」がとりまとめた。PAIIは、(1)「パリ協定との整合した投資」の概念や定義の策定、(2)潜在的な実行オプションや提唱されているアプローチの評価、(3)アプローチの実証の3つをミッションとして掲げている。同フレームワークは案は、このうち1と2の作業を完了し、ドキュメントにまとめたもの。パブリックコメントを受け付けた後、PAIIは、機関投資家が個別に最終アクションと目標を定めた上で、3の実証作業に入る。政府に対しても、パリ協定と整合性のある政策実施を求めた。

 今回のフレームワーク策定に参加した機関投資家は、ERAFP(フランス公務員退職年金基金)、AP2、フランス郵政公社、PGGM、LPGS Central、Brunel Pension Partnership、英国国教会コミッショナー、英国国教会年金理事会、メソジスト教会中央財務理事会、英環境庁年金基金、Aviva Invesotors、アクサ・インベストメント・マネージャーズ、アリアンツ・グローバル・インベスターズ、アリアンツ・インベストメント・マネジメント、リーガル&ゼネラル・インベストメント・マネジメント、HSBCグローバル・アセット・マネジメント、JPモルガン・アセット・マネジメント、UBSアセット・マネジメント、ドイチェ・アセット・マネジメント、ノルデア・アセット・マネジメント、ピムコ、Robeco、M&Gインベストメント、マーサー、ウィリス・タワーズワトソン、FTSE Russell、MSCI ESGリサーチ(UK)、ムーディーズ・アナリティクス、リンクレーターズ等。参画機関投資家110以上の運用資産総額は33兆米ドル(約3,600兆円)。

 同フレームワークは、3つの観点で目標を定めることを規定している。

  • ポートフォリオレベルでの脱炭素化目標と気候ソリューションへの投資目標の設定
  • ネットゼロ基準を適用する企業やアセットクラスのカバレッジに関する時間軸を設けた目標設定
  • 素材セクターの排出量の70%以上をカバーする発行体への気候変動移行エンゲージメント

 IIGCCは、今後これらを導入するための実践ガイドも策定していく予定。また、アジア地域で活動するAIGCC、北米で活動するCeres、オセアニアで活動するIGCCとも連携し、同フレームワークを世界的に展開していく計画。
 
 策定されたフレームワークに準拠した目標を設定したアセットオーナーはすでに22に達する。ニューヨーク州年金基金、AP2、NNグループ、ロイヤル・ロンドン、英環境庁年金基金、英国国教会年金理事会、Brunel Pension Partnership、Northern LGPS、PKA、ナショナル・グリッドUK年金基金、ロイズ・バンキング・グループ年金理事会、PensionDanmark、NEST、Bundespensionskasse等。運用資産総額は1.2兆米ドル(約130兆円)。

 また運用会社からも、リーガル&ゼネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)、フィデリティ・インターナショナル、Robeco、ドイチェ・アセット・マネジメント、アクサ・インベストメント・マネージャーズ、ジュピター・アセット・マネジメント、アバディーン・スタンダード・インベストメンツ、M&Gインベストメンツ等15社が、同フレームワークに準拠した目標を設定。運用資産総額は7.3兆米ドル(約790兆円)。

 今回の目標設定を行った機関投資家の中で、「Net Zero Asset Managers(NZAM)」にも加盟し、目標を設定しているところも多い。NZAMは、IIGCCも運営機関の一つとして加わっているため、同フレームワークとNZAMが連携できていることも強調した。

【参考】【国際】運用会社30社、2050年投資ポートフォリオのCO2ゼロにコミット。NZAM発足。日系も1社(2020年12月12日)

 同フレームワークに準拠した目標設定を行った機関投資家は、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局が、2020年6月5日の「世界環境デー」に開始した国際キャンペーン「Race to Zero」に自動的に参加することになる予定。

【参照ページ】Global framework for investors to achieve net zero emissions alignment launched – $8 trillion investors put it into practice

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 気候変動対応を企業に求める欧州機関投資家団体IIGCCは3月10日、気候変動対策のために、2050年までに二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)を実現するため、機関投資家向けが採るべきアクションをまとめたフレームワーク「ネットゼロ投資フレームワーク」を発表した。8月に原案を発表し、パブリックコメントを募集していた。

【参考】【ヨーロッパ】IIGCC、2050年カーボンニュートラル実現の投資フレームワーク案策定。70以上の機関投資家参画(2020年8月7日)

 今回のフレームワークは、

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 気候変動対応を企業に求める欧州機関投資家団体IIGCCは3月10日、気候変動対策のために、2050年までに二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)を実現するため、機関投資家向けが採るべきアクションをまとめたフレームワーク「ネットゼロ投資フレームワーク」を発表した。8月に原案を発表し、パブリックコメントを募集していた。

【参考】【ヨーロッパ】IIGCC、2050年カーボンニュートラル実現の投資フレームワーク案策定。70以上の機関投資家参画(2020年8月7日)

 今回のフレームワークは、

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 気候変動対応を企業に求める欧州機関投資家団体IIGCCは3月10日、気候変動対策のために、2050年までに二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)を実現するため、機関投資家向けが採るべきアクションをまとめたフレームワーク「ネットゼロ投資フレームワーク」を発表した。8月に原案を発表し、パブリックコメントを募集していた。

【参考】【ヨーロッパ】IIGCC、2050年カーボンニュートラル実現の投資フレームワーク案策定。70以上の機関投資家参画(2020年8月7日)

 今回のフレームワークは、IIGCCが2019年5月に発足した「パリ協定と整合した投資イニシアチブ(PAII)」がとりまとめた。PAIIは、(1)「パリ協定との整合した投資」の概念や定義の策定、(2)潜在的な実行オプションや提唱されているアプローチの評価、(3)アプローチの実証の3つをミッションとして掲げている。同フレームワークは案は、このうち1と2の作業を完了し、ドキュメントにまとめたもの。パブリックコメントを受け付けた後、PAIIは、機関投資家が個別に最終アクションと目標を定めた上で、3の実証作業に入る。政府に対しても、パリ協定と整合性のある政策実施を求めた。

 今回のフレームワーク策定に参加した機関投資家は、ERAFP(フランス公務員退職年金基金)、AP2、フランス郵政公社、PGGM、LPGS Central、Brunel Pension Partnership、英国国教会コミッショナー、英国国教会年金理事会、メソジスト教会中央財務理事会、英環境庁年金基金、Aviva Invesotors、アクサ・インベストメント・マネージャーズ、アリアンツ・グローバル・インベスターズ、アリアンツ・インベストメント・マネジメント、リーガル&ゼネラル・インベストメント・マネジメント、HSBCグローバル・アセット・マネジメント、JPモルガン・アセット・マネジメント、UBSアセット・マネジメント、ドイチェ・アセット・マネジメント、ノルデア・アセット・マネジメント、ピムコ、Robeco、M&Gインベストメント、マーサー、ウィリス・タワーズワトソン、FTSE Russell、MSCI ESGリサーチ(UK)、ムーディーズ・アナリティクス、リンクレーターズ等。参画機関投資家110以上の運用資産総額は33兆米ドル(約3,600兆円)。

 同フレームワークは、3つの観点で目標を定めることを規定している。

  • ポートフォリオレベルでの脱炭素化目標と気候ソリューションへの投資目標の設定
  • ネットゼロ基準を適用する企業やアセットクラスのカバレッジに関する時間軸を設けた目標設定
  • 素材セクターの排出量の70%以上をカバーする発行体への気候変動移行エンゲージメント

 IIGCCは、今後これらを導入するための実践ガイドも策定していく予定。また、アジア地域で活動するAIGCC、北米で活動するCeres、オセアニアで活動するIGCCとも連携し、同フレームワークを世界的に展開していく計画。
 
 策定されたフレームワークに準拠した目標を設定したアセットオーナーはすでに22に達する。ニューヨーク州年金基金、AP2、NNグループ、ロイヤル・ロンドン、英環境庁年金基金、英国国教会年金理事会、Brunel Pension Partnership、Northern LGPS、PKA、ナショナル・グリッドUK年金基金、ロイズ・バンキング・グループ年金理事会、PensionDanmark、NEST、Bundespensionskasse等。運用資産総額は1.2兆米ドル(約130兆円)。

 また運用会社からも、リーガル&ゼネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)、フィデリティ・インターナショナル、Robeco、ドイチェ・アセット・マネジメント、アクサ・インベストメント・マネージャーズ、ジュピター・アセット・マネジメント、アバディーン・スタンダード・インベストメンツ、M&Gインベストメンツ等15社が、同フレームワークに準拠した目標を設定。運用資産総額は7.3兆米ドル(約790兆円)。

 今回の目標設定を行った機関投資家の中で、「Net Zero Asset Managers(NZAM)」にも加盟し、目標を設定しているところも多い。NZAMは、IIGCCも運営機関の一つとして加わっているため、同フレームワークとNZAMが連携できていることも強調した。

【参考】【国際】運用会社30社、2050年投資ポートフォリオのCO2ゼロにコミット。NZAM発足。日系も1社(2020年12月12日)

 同フレームワークに準拠した目標設定を行った機関投資家は、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局が、2020年6月5日の「世界環境デー」に開始した国際キャンペーン「Race to Zero」に自動的に参加することになる予定。

【参照ページ】Global framework for investors to achieve net zero emissions alignment launched – $8 trillion investors put it into practice

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