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【国際】G20農相会合、インドが成果文書発表。持続可能な農業、イノベーション、栄養等掲げる

 G20農相は6月16日と17日、インドのハイデラバードで会合を開催。最後に、議長国インドが「成果文書及び議長総括」が発出した。

 同会合では、増え続ける世界人口の需要を満たすために世界の食料生産が長期的に増加してきたことを認識する一方、発展途上国において、世界的な食料不安の状況悪化や栄養不良率の増加が見られることを深く懸念。理由として、貧困、新型コロナウイルス・パンデミック、深刻化する気候変動や生物多様性喪失の危機、世界各地で続く紛争の4つを挙げた。そのため、持続可能な農業・食料システムへの変革に向けた取組を強化し、世界の食料安全保障と栄養を高めることにコミットするとした。

 食料安全保障に関しては、栄養問題と一体的に取り上げ、「食料安全保障と栄養を改善するためには、多様で、安全、かつ持続的に生産された栄養価の高い食料が重要であることを強調する。我々は、気候レジリエントで、栄養のある、地元に適応した、土着で未活用の穀物を含む作物の開発、生産及び消費パターンのイノベーションを促進するイニシアチブを奨励する。持続可能な方法での農業生産性の向上に向けた研究開発の重要性を強調し、我々は、雑穀、キヌア、ソルガムやコメ、小麦、トウモロコシを含む、その他の伝統的な作物等、気候変動に強じんで栄養価の高い穀物の研究協力を強化する取組を促進する」と標榜。

 さらに、「全体的に見て十分な栄養を達成するには、先ず多様な食料の消費に基づくべきことを強調する。また、我々は、生物学的栄養強化が栄養改善に効果的な方法となり得ることに留意する。この観点から、我々は、作物の生物学的栄養強化に関する研究を奨励する。我々は、生物学的に栄養強化された作物品種に関し、引き続き証拠を集め、関連する情報を農業者に普及するとともに、消費者、特に低所得者層への働きかけを強化することにコミットする」ことを掲げた。

 持続可能な食料システムに向けては、「優良農業慣行や科学、根拠に基づく革新的な解決策を地域、国、地元の状況に応じて活用、調整し、試験的に実施していくべき」「発展途上国の持続可能な食料生産、備蓄、マーケティング及び損失軽減の能力向上を支援すべきである。我々は、また、貧困の中で生活し、食料不安を経験している人々の割合がいまだに大きいことを認識する。我々は、食料及び現金ベースの栄養安全保障セーフティーネットプログラムが、購買力を強化し、困窮を解消し、栄養状態の改善に貢献し得ることに留意する」とした。イノーベーション促進と官民による責任あるの推進も支持するとした。

 人間、動植物、生態系の3つの健康を同時に対処する「ワンヘルス・アプローチ」を追求することも盛り込んだ。薬剤耐性(AMR)に対処するための重要なツールとして、コーデックスの「食品由来のAMRの統合的モニタリング及びサーベイランスに関するガイドライン」の採択を歓迎するとともに、「食品由来のAMRの最小化及び抑制のための実施規範」改訂版の実施に向けた我々のコミットメントを再確認した。

 社会的側面では、小規模農家、家族農業者、女性、若者、先住民等のマイノリティグループ、中小企業(SMEs)のインクルージョンを掲げるとともに、デジタルインクルージョンとして、すべての関係者がブロードバンドインターネットに接続できることや、デジタル著作権、データ接続・利用、プライバシーに関するルールの重要性を強調した。

【参照ページ】野村農林水産大臣の海外出張概要について(インド)

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 G20農相は6月16日と17日、インドのハイデラバードで会合を開催。最後に、議長国インドが「成果文書及び議長総括」が発出した。

 同会合では、

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 G20農相は6月16日と17日、インドのハイデラバードで会合を開催。最後に、議長国インドが「成果文書及び議長総括」が発出した。

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 G20農相は6月16日と17日、インドのハイデラバードで会合を開催。最後に、議長国インドが「成果文書及び議長総括」が発出した。

 同会合では、増え続ける世界人口の需要を満たすために世界の食料生産が長期的に増加してきたことを認識する一方、発展途上国において、世界的な食料不安の状況悪化や栄養不良率の増加が見られることを深く懸念。理由として、貧困、新型コロナウイルス・パンデミック、深刻化する気候変動や生物多様性喪失の危機、世界各地で続く紛争の4つを挙げた。そのため、持続可能な農業・食料システムへの変革に向けた取組を強化し、世界の食料安全保障と栄養を高めることにコミットするとした。

 食料安全保障に関しては、栄養問題と一体的に取り上げ、「食料安全保障と栄養を改善するためには、多様で、安全、かつ持続的に生産された栄養価の高い食料が重要であることを強調する。我々は、気候レジリエントで、栄養のある、地元に適応した、土着で未活用の穀物を含む作物の開発、生産及び消費パターンのイノベーションを促進するイニシアチブを奨励する。持続可能な方法での農業生産性の向上に向けた研究開発の重要性を強調し、我々は、雑穀、キヌア、ソルガムやコメ、小麦、トウモロコシを含む、その他の伝統的な作物等、気候変動に強じんで栄養価の高い穀物の研究協力を強化する取組を促進する」と標榜。

 さらに、「全体的に見て十分な栄養を達成するには、先ず多様な食料の消費に基づくべきことを強調する。また、我々は、生物学的栄養強化が栄養改善に効果的な方法となり得ることに留意する。この観点から、我々は、作物の生物学的栄養強化に関する研究を奨励する。我々は、生物学的に栄養強化された作物品種に関し、引き続き証拠を集め、関連する情報を農業者に普及するとともに、消費者、特に低所得者層への働きかけを強化することにコミットする」ことを掲げた。

 持続可能な食料システムに向けては、「優良農業慣行や科学、根拠に基づく革新的な解決策を地域、国、地元の状況に応じて活用、調整し、試験的に実施していくべき」「発展途上国の持続可能な食料生産、備蓄、マーケティング及び損失軽減の能力向上を支援すべきである。我々は、また、貧困の中で生活し、食料不安を経験している人々の割合がいまだに大きいことを認識する。我々は、食料及び現金ベースの栄養安全保障セーフティーネットプログラムが、購買力を強化し、困窮を解消し、栄養状態の改善に貢献し得ることに留意する」とした。イノーベーション促進と官民による責任あるの推進も支持するとした。

 人間、動植物、生態系の3つの健康を同時に対処する「ワンヘルス・アプローチ」を追求することも盛り込んだ。薬剤耐性(AMR)に対処するための重要なツールとして、コーデックスの「食品由来のAMRの統合的モニタリング及びサーベイランスに関するガイドライン」の採択を歓迎するとともに、「食品由来のAMRの最小化及び抑制のための実施規範」改訂版の実施に向けた我々のコミットメントを再確認した。

 社会的側面では、小規模農家、家族農業者、女性、若者、先住民等のマイノリティグループ、中小企業(SMEs)のインクルージョンを掲げるとともに、デジタルインクルージョンとして、すべての関係者がブロードバンドインターネットに接続できることや、デジタル著作権、データ接続・利用、プライバシーに関するルールの重要性を強調した。

【参照ページ】野村農林水産大臣の海外出張概要について(インド)

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