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【EU】EU理事会と欧州議会、自動車排ガス新基準「ユーロ7」で政治的合意。PM10規制導入へ

 EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会とEU下院の役割を担う欧州議会は12月18日、自動車の新たな排ガス規制基準「ユーロ7」案で政治的合意に達した。今後、双方での立法手続に入る。

【参考】【EU】欧州委、排ガス新基準「ユーロ7」案発表。タイヤとブレーキのマイクロプラも規制(2022年11月20日)
【参考】【EU】EU理事会、ユーロ7でEV転換優先し、内燃機関基準据置きの方針採択。マイクロプラ規制導入も(2023年9月27日)

 今回の合意では、自動車とバンの排気ガス規制は現行のユーロ6を維持。バスとトラックは現行のユーロVIの試験条件を維持しつつ、一酸化二窒素(N2O)等、ユーロVIでは規制対象外だった汚染物質も規制対象となることで合意された。欧州委員会が提示した当初案では、現行の自動車及びバン向けの「ユーロ6」、バスとトラック向けの「ユーロVI」のうち、特にユーロVIの基準値が厳格化されることになっていた。しかし、既存のガソリン・ディーゼル車両の燃費改善に経営資源が割かれれば、電気乗車(EV)転換が遅れるとEU理事会側が反対の立場を表明。最終的に、既存の内燃機関車両の燃費基準は据え置くことが決まった。

 一方、EU理事会は、国連欧州経済委員会(UNECE)が採択した国際基準に合わせるため、ブレーキ粒子とタイヤの摩耗でのマイクロプラスチックを含むPM10排出を規制基準に含めることを要請し、これも合意事項となった。規制値は、EVが3mg/km、ほとんどの内燃機関、ハイブリッド車、燃料電池車は7mg/km、大型内燃機関バンは11mg/km。

 また、EVバッテリーの耐久性に関する最低基準も導入される。EVとハイブリッド車は、走行開始から5年または10万kmまでは80%、8年または16万kmまでは72%に設定。バンは、走行開始から5年または10万kmまでは75%、8年または16万kmまでは67%に設定された。

 ユーロ7の適用時期は、同規制発効から自動車とバンの新車種は30ヶ月後、その他の新車は42ヶ月後。バスとトラックの新車種は48ヶ月後、その他の新車は60ヶ月後に適用されることになっている。部品では、自動車及びバン向けは30ヶ月後、バス及びトラック向けは48ヶ月後に適用される。

 EU理事会と欧州議会はすでに自動車とバンの内燃機関自動車の新車販売を2035年以降は禁止するEU規則を成立されている。同規則とは無関係に、ユーロ7は合法販売可能車種について適用が続けられる。

【参考】【EU】EU理事会、新車販売で2035年CO2ゼロを最終決定。EU法成立。eFuel詳細は今後議論(2023年3月29日)

【参照ページ】Euro 7: Deal on new EU rules to reduce road transport emissions
【参照ページ】Euro 7: Council and Parliament strike provisional deal on emissions limits for road vehicles

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 EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会とEU下院の役割を担う欧州議会は12月18日、自動車の新たな排ガス規制基準「ユーロ7」案で政治的合意に達した。今後、双方での立法手続に入る。

【参考】【EU】欧州委、排ガス新基準「ユーロ7」案発表。タイヤとブレーキのマイクロプラも規制(2022年11月20日)
【参考】【EU】EU理事会、ユーロ7でEV転換優先し、内燃機関基準据置きの方針採択。マイクロプラ規制導入も(2023年9月27日)

 今回の合意では、

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 EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会とEU下院の役割を担う欧州議会は12月18日、自動車の新たな排ガス規制基準「ユーロ7」案で政治的合意に達した。今後、双方での立法手続に入る。

【参考】【EU】欧州委、排ガス新基準「ユーロ7」案発表。タイヤとブレーキのマイクロプラも規制(2022年11月20日)
【参考】【EU】EU理事会、ユーロ7でEV転換優先し、内燃機関基準据置きの方針採択。マイクロプラ規制導入も(2023年9月27日)

 今回の合意では、

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 EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会とEU下院の役割を担う欧州議会は12月18日、自動車の新たな排ガス規制基準「ユーロ7」案で政治的合意に達した。今後、双方での立法手続に入る。

【参考】【EU】欧州委、排ガス新基準「ユーロ7」案発表。タイヤとブレーキのマイクロプラも規制(2022年11月20日)
【参考】【EU】EU理事会、ユーロ7でEV転換優先し、内燃機関基準据置きの方針採択。マイクロプラ規制導入も(2023年9月27日)

 今回の合意では、自動車とバンの排気ガス規制は現行のユーロ6を維持。バスとトラックは現行のユーロVIの試験条件を維持しつつ、一酸化二窒素(N2O)等、ユーロVIでは規制対象外だった汚染物質も規制対象となることで合意された。欧州委員会が提示した当初案では、現行の自動車及びバン向けの「ユーロ6」、バスとトラック向けの「ユーロVI」のうち、特にユーロVIの基準値が厳格化されることになっていた。しかし、既存のガソリン・ディーゼル車両の燃費改善に経営資源が割かれれば、電気乗車(EV)転換が遅れるとEU理事会側が反対の立場を表明。最終的に、既存の内燃機関車両の燃費基準は据え置くことが決まった。

 一方、EU理事会は、国連欧州経済委員会(UNECE)が採択した国際基準に合わせるため、ブレーキ粒子とタイヤの摩耗でのマイクロプラスチックを含むPM10排出を規制基準に含めることを要請し、これも合意事項となった。規制値は、EVが3mg/km、ほとんどの内燃機関、ハイブリッド車、燃料電池車は7mg/km、大型内燃機関バンは11mg/km。

 また、EVバッテリーの耐久性に関する最低基準も導入される。EVとハイブリッド車は、走行開始から5年または10万kmまでは80%、8年または16万kmまでは72%に設定。バンは、走行開始から5年または10万kmまでは75%、8年または16万kmまでは67%に設定された。

 ユーロ7の適用時期は、同規制発効から自動車とバンの新車種は30ヶ月後、その他の新車は42ヶ月後。バスとトラックの新車種は48ヶ月後、その他の新車は60ヶ月後に適用されることになっている。部品では、自動車及びバン向けは30ヶ月後、バス及びトラック向けは48ヶ月後に適用される。

 EU理事会と欧州議会はすでに自動車とバンの内燃機関自動車の新車販売を2035年以降は禁止するEU規則を成立されている。同規則とは無関係に、ユーロ7は合法販売可能車種について適用が続けられる。

【参考】【EU】EU理事会、新車販売で2035年CO2ゼロを最終決定。EU法成立。eFuel詳細は今後議論(2023年3月29日)

【参照ページ】Euro 7: Deal on new EU rules to reduce road transport emissions
【参照ページ】Euro 7: Council and Parliament strike provisional deal on emissions limits for road vehicles

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