米国ネバダ州ラスベガス市は12月12日、市政府の消費電力を100%再生可能エネルギーで調達することを達成したと発表した。大規模太陽光発電所「ボールダー・ソーラー1」の運転が同日に開始し、その結果ラスベガス市政府が所有・運営する公共施設、道路、信号、消防署、コミュニティセンター、公園での消費電力が100%再生可能エネルギーとなった。これによりラスベガス市政府は、電力100%を再生可能エネルギーで調達する全米最大の都市となった。
ラスベガス市はここ数年、再生可能エネルギー比率を向上させるため、市所有の施設36ヶ所に太陽光パネルを設置、合計で4,000万米ドル(約47億円)を投資してきた。ラスベガス市は過去数十年の間に、カジノを核とする統合リゾートエリアとして大規模開発が進み、人口も大きく増加している。それにもかかわらず、ラスベガス地域の電力事業者「NV Energy」とパートナーシップ締結を組み再生可能エネルギー推進に舵をきった同市の現在の温室効果ガス排出量は、1950年時の水準まで減少している。
ラスベガス市以外にも、米国では市政府の消費電力を100%再生可能エネルギーにすることを計画する市が増加している。例えば、シリコンバレーの一部を担うカリフォルニア州サンノゼ市は2022年までに、カリフォルニア州サンフランシスコは2030年までに、ミネソタ州ロチェスター市は2031年までに、カリフォルニア州サンディエゴ市は2035年までに、市の消費電量を100%再生可能エネルギーにする計画を定めている。米国以外では、カナダのバンクーバー、オーストラリアのシドニー、デンマークのコペンハーゲンなどが同様の計画を定めている。
再生可能エネルギー100%目標を掲げる全米市の中で最大なのが人口137万人を抱えるサンフランシスコ州サンディエゴ市。温室効果ガス排出量でも2035年までに今日比で50%削減する目標も設定し、急ピッチで施設屋根への太陽光パネル設置を進めている。その他、市内自動車の90%を電気自動車に切り替えることや、下水排水処理から発生するメタンガスの100%再利用、自動車から公共交通機関や自転車利用促進のためのインフラ投資、固形廃棄物90%のリサイクル化や堆肥化を実施していく。
【参照ページ】Mayor Announces City Power Comes From 100% Renewable Sources
【参照ページ】CITIES ARE READY FOR 100% CLEAN ENERGY 10 CASE STUDIES
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