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【アメリカ】「寄付よりもノウハウを」トヨタ生産方式がもたらしたムーブメント

本日ご紹介する動画は、日本が世界に誇る自動車メーカーであるトヨタ自動車の取り組み。同社のニューヨーク市におけるCSR活動が、「KAIZEN(改善)」という言葉と共に現地で話題を集めた。

我々が普段何気なく口にしている食料品。品質に問題はないものの包装不備などで商品価値を失い、市場に流通しない商品も実は少なくない。そのような市場流通しない商品は、Food Bankというチャリティ団体の活動を通し、ニューヨーク周辺に住む生活困窮者に供給されている。

2012年のハリケーン「サンディ」により打撃をうけたニューヨーク市は、それから半年が過ぎた後も依然として人々の飢餓が問題となっており、Food Bankが支援の手を差し伸べていた。

当時の支援方法としてはボランティアが1箱ずつを手に持ち、支援物資を詰めて回り、1世帯の3日分にあたる食糧を詰めるという非効率的なものであった。当然ながら詰める缶の量が増えるにつれて箱は重くなり、持ち運ぶボランティアの負荷も大きくなる。現場に優れたリーダーはいたものの、優れたシステムがなかったのである。

そこで自動車メーカーであるトヨタは彼らのために何ができるのか考えた結果、「ノウハウの共有」という形での支援を始めた。トヨタが目をつけたポイントは、大きく分けると下記の二つだ。

  1. 無駄の削減
  2. 梱包ラインの設計

具体的には、まず食糧を詰め終わった箱に空きスペースができないように箱を適切なサイズまで小さくし、一回のトラック運搬での積載量を増やした。さらに今まで非効率的に行われていた支援物資の梱包過程にトヨタ生産方式を導入し、作業効率の改善に努めた。すると1箱につき3分かかっていた梱包時間が11秒まで短縮され、結果として食糧配給の待ち時間が90分から18分まで短縮されるに至った。

現在トヨタ生産方式は世界各地の工場で採用されているが、このKaizen(改善)というプロセスは工場の中に限らず、いかなる状況にも応用可能であるとトヨタプロダクションサポートセンターの社員は語る。

今回の事例のように、単なる寄付ではなく自社のノウハウや強みを活かしたCSR活動は一つの理想の形だと言える。日本の国際競争力の代名詞でもあるトヨタの更なる活躍に期待をしたい。

【企業サイト】TOYOTA
【参考サイト】Food Bank

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