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【アメリカ】内務省、外部大陸棚で石油・ガス採掘リースを可能にするプログラム案公表

 米ライアン・ジンキ内務長官は1月4日、米国外部大陸棚(OCS:Outer Continental Shelf)のほぼ全域で石油・ガス採掘を可能にする構想を発表した。米国では、1953年に制定された「Submerged Lands Act」と「Outer Continental Shelf Lands Act」により、海岸線から3マイル(テキサス州およびフロリダ州のメキシコ湾岸では約10.5マイル)までは州の所管、その外側は連邦内務省海洋エネルギー管理局(BOEM)の所管と規定されている。ジンキ長官が発表したのは、2019年から2024年までの「米国OCS石油・ガス・リース・プログラム」の案。内務省所管の大陸棚の90%以上の面積について、採掘業者へのリースを可能にする内容となっている。

 米国では、前オバマ政権時代に、内務省所管大陸棚の約94%での石油・ガス採掘を禁止した経緯がある。背景にはメキシコ湾での原油流出事故や、同海域での自由な航行を行いたい米海軍の意向があった。とりわけ、北極海海域での資源採掘に対しては、海洋生態系保護を理由に厳しく禁止する姿勢を見せ、任期満了直前の2016年11月に、「米国OCS石油・ガスリース・プログラム」を決定。2017年から2022年までの5年間、北極海地域にある米国領大陸棚での石油とガス採掘を来年から5年間禁止することを決めていた。ジンキ長官の構想が決まれば、この流れが大きく変わることになる。

【参考】【アメリカ】オバマ政権、米国領北極海海域での石油・ガス採掘を5年間禁止(2016年12月6日)

 ジンキ長官の発表によると、すでに、アラスカ沖で19ヶ所、メキシコ湾で12ヶ所、大西洋地域で9ヶ所、太平洋地域で7ヶ所の計47ヶ所でリース計画がある。これらが実現すると、5カ年の「米国OCS石油・ガスリース・プログラム」の中で過去最大規模のリース販売となる。内務省は、「責任あるエネルギー資源採掘のため」と説明した。

 今回のプログラム案策定に当たっては、2017年初頭に、米上院と下院の議員155名からジンキ長官に新たな5カ年「米国OCS石油・ガスリース・プログラム」を策定しエネルギー資源採掘を促進する要望があったという。同省は、これまでに幅広いステークホルダーから816,000件のコメントを受け取った。米の法律では、今回のプログラム案(DPP)発表の後、プログラム提案(PP)、最終プログラム(PFP)という段階を経て、最終決定というプロセスを踏む。各段階ではパブリックコメント募集や、National Environmental Policy Actに基づく環境アセスメント(Environmental Impact Statement:EIS)実施が求められる。最終決定までは、オバマ政権時代の「2017-2022 米国OCS石油・ガスリース・プログラム」が引き続き有効。また、新5カ年プログラムが正式決定された後も、個別のリース契約については、改めてアセスメントやステークホルダーからのフィードバックを必要となる。

 同案に対し、すでにフロリダ州、ニュージャージー州、ノースカロライナ州、デラウェア州知事等から、観光業にダメージを与えると反対の声が出ている。

 内務省海洋エネルギー管理局は現在、2,900ヶ所(約62,000km2)でリース契約を結んでいる。そのほとんどがメキシコ湾。2016年には、米全土の資源採掘のうち、OCSでの採掘が石油では18%、ガスでは4%を占める。

【参照ページ】Secretary Zinke Announces Plan For Unleashing America's Offshore Oil and Gas Potential

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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