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【国際】連邦地裁、テキサス州の6週目以降中絶禁止法を仮差し止め。連邦政府が原告

 米連邦地方裁判所は10月6日、テキサス州が制定した妊娠6週目以降の人工妊娠中絶する州法「テキサス・ハートビート法」を仮差し止めする命令を下した。これにより、9月1日に施行された同州法が一時的に停止となった。原告は米連邦政府、被告はテキサス州政府。

 同州法は、3月に同州上院と下院を通過し、5月に州知事が署名して成立した。しかし、バイデン政権の連邦政府は、違憲との考えから、テキサス州西部地区連邦地方裁判所に対し、同州法を無効とする訴訟を起こした。今回、仮差し止めを判断した連邦地方裁判所判事も、オバマ政権に任命された判事であり、共和党と民主党での思想の食い違いといえる。

 同州法は、妊娠6週間以降の妊娠中絶を禁止する規定で、同様の法律制定は今回が米国で初。6週間は、胎児の心拍数が確認され始めるタイミング。また、同州法は、違法行為に対し、刑事ではなく、民事での訴訟で対応をすることも定めており、違法な中絶の疑いのある人に対し、誰でも「行政の代理人」として民事訴訟を起こすことができ、1万米ドル(約110万円)を請求できるという内容となっていることも、批判の対象となっていた。

 同州法に対しては、米リプロダクティブ・ライツ・センターが、施行前の8月30日に、米連邦最高裁判所に対し、緊急差し止め請求をしたが、5対4で緊急差し止めを却下。下級審での裁判プロセスを踏むよう命じた。

 同州法に対しては、それ以外にも多数の訴訟が提出されており、熾烈な法廷闘争となっている。今回仮差し止め処分を受けたテキサス州も、不服とし、控訴する考え。

 テキサス州では、6週目以降の中絶が禁止されたことから、中絶のために州外に出る妊婦が増えてきているという。

 米国では、ミシシッピ州でも、妊娠15週間以降の妊娠中絶を禁止する「中絶法」を制定しており、12月から法廷での審理が開始される。

[2021.10.9追記]
同仮差し止めを不服とするテキサス州は控訴し、第5連邦巡回控訴裁判所は10月8日に受理。そのまま、一審の仮差し止め命令を無効とする判断を下した。

【参照ページ】Order

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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