
自動車世界大手米GMは7月23日、第2四半期決算発表の中で、自動運転車部門クルーズで進めてきた自動運転タクシー専用車両「クルーズ・オリジン」の開発を無期限凍結し、リソースを電気自動車(EV)「シボレー・ボルト」を使った自動運転タクシー開発に投入すると発表した。
同社は今回、足元では、コンパクト型、中型、フルサイズの内燃機関自動車の売れ筋が好調で、特に内燃機関トラックとSUVが業績を牽引していると伝えた。電気自動車(EV)に関しては、第2四半期には記録的な納車台数や市場シェアの改善があったと表現。今後も堅実に市場を伸ばしていく姿勢を示した。EV車種「シボレー・エクイノックスEV」に期待を寄せ、生産規模を拡大していく。GMCで、シエラEVを近々発売し、キャデラックLYRIQの発売も予定している。
一方、自動車運転タクシー専用車両「クルーズ・オリジン」については、規制のハードルが高く、開発を無期限停止すると判断した。クルーズ・オリジンは、ハンドル、ブレーキペダル、ミラーがない完全無人運転をコンセプトとしている。同社は2022年に同車種の年間最大2,500台走行を目指して米運輸省道路交通安全局(NHTSA)に認可申請したが、まだ認可が下りていない。
クルーズ・オリジンは、2022年9月に試作車が完成。しかし、2023年10月に、歩行者を巻き込む交通事故も起こし、当局の捜査を受けている。それを受け、クルーズの開発が同月に一時停止。さらに、カリフォルニア州も実証運転試験認可を停止した。クルーズのカイル・ボクトCEOが辞任し、新たにマーク・ウィッテンCEOが就任している。20242月には、ハードウェア開発責任者カール・ジェンキンス氏も辞任した。その後、テキサス州ヒューストンとダラス、アリゾナ州フェニックスでは運転手が同乗する実証試験が再開されている。
同社は今回の決定に関し、「規制上の不確実性」と表現。自動運転車の実現をEV車種「シボレー・ボルト」に絞り、開発の選択と集中を進めると表明した。クルーズが開発してきた自動運転技術をそちらに全面投入する。
「クルーズ・オリジン」の日本仕様量産モデル開発でクルーズと協働してきた本田技研工業は2023年10月、日本での自動運転タクシーサービスを2026年初頭に開始するために、サービス提供を担う合弁会社を2024年前半に設立する基本合意書の締結を発表していた。本田技研工業は現在、計画の変更等も含め、影響を精査中という。
【参照ページ】Q2 2024 Letter to Shareholders
【画像】本田技研工業
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