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【ランキング】2017年 AODP「Global Climate 500 Index:グローバル気候500インデックス」 2017/05/09 体系的に学ぶ

 機関投資家の気候変動リスクを調査・報告している国際NGOのAsset Owner Disclosure Project(AODP)は4月26日、機関投資家世界トップ500の格付とランキングを実施し、「Global Climate 500 Index(グローバル気候500インデックス)2017」を発表しました。このランキングの発表は今年で5回目です。今年からは、運用会社世界トップ50の格付とランキングについても発表しています。AODPは、元オーストラリア自由党党首で、首相補佐官、ABNアムロ・オーストラリア社長、経済学教授などを歴任したジョーン・ヒューソン氏が議長を務め、金融出身者や労働組合幹部などが理事に就いているNGO。本部は英国ロンドンにあります。

 この調査では、運用資産残高が20億米ドル(約2,200億円)以上の機関投資家アセットオーナー(年金基金、保険会社、国富ファンド、財団、寄付基金)を対象とし、公開情報と機関投資家へのアンケート内容をもとに格付とランキングを実施しています。アンケート回答が得られなかった機関投資家についても調査から除外することはなく、公開情報やステークホルダーからの質問回答をもとに同様に格付、ランキングを実施しています。アンケートでは、エンゲージメント、リスク管理、低炭素投資の3つのカテゴリーで合計37の質問項目が設定されており、公開情報とあわせ点数化され、最終的にAAA-A(Leaders)、BBB-B(Challengers)、CCC-C(Learners)、D(Bystandars)、X(Laggards)の5段階で格付されます。

 今年の調査からは、気候変動がもたらす金融リスクを認識せず格付「X」に位置づけられていた機関投資家が、昨年の246から201に減少。すなわち、299機関(全体の約60%)が何らかの認識をしていることが明らかとなりました。一方、最高格付「AAA」に位置づけられた機関投資家も昨年の12から17へと増加しました。


(出所)AODP “Global Climate 500 Index 2017”

 一方、今年から実施された運用会社を対象とした調査では、世界トップ50社は、高位のLeadersが2社、一方低位のLaggardsが3社という結果でした。


(出所)AODP “Global Climate 500 Index 2017”

AAA機関投資家

 格付最高位のAAAを獲得した機関投資家は17。例年同様、欧州の公的年金基金でほぼ独占しています。また、オーストラリアの年金基金の名前も目立ちます。AAA、AA、Aの格付を獲得した機関は昨年の31から34に増えました。またD格付が157から181へ増加する一方、X格付は246から201へ大きく減少しました。

AAA運用会社

 AAAを獲得した運用会社は今年はAPGアセットマネジメント1社でした。2位から5位までは全て英国の運用会社が占めました。2位はリーガル・アンド・ゼネラル・インベストメント・マネジメント、3位はアビバ・インベスターズ、4位はM&Gインベストメンツ、5位はシュローダー・インベストメント・マネジメントでした。

日本の機関投資家の状況

 今年の調査では日本の機関投資家は23機関が格付対象となりました。昨年までは日本の機関投資家の最高ランクはDでしたが、今年はMS&ADインシュアランスグループホールディングスが初めてCを獲得しました。また、最低位のXランクが昨年の15から6に大きく減少し、Dが11から16に増えました。このことは、昨年まで何も対応をせずXランクであった機関投資家が、何らかの対応を始めてきたことを意味しています。但し、それでも依然、DとXに偏在していることは変わらず、他の先進国から大きく遅れをとっています。

日本の運用会社の状況

 日本の運用会社では2社が格付対象となりました。2社ともにDでした。

世界の国別の格付状況


(出所)AODP “Global Climate 500 Index 2017”

 報告書では、国ごとの機関投資家の全体状況として、トップ10の国とそれ以外の主要年金市場7ヶ国(*印)のランキングを発表しています。トップはスウェーデンでBBBを獲得。その他上位は北欧とオーストラリア、ニュージーランドが占めました。日本は、主要年金市場7ヶ国の中で最も低く、21位という結果に終わりました。

【報告書】GLOBAL CLIMATE 500 INDEX 2017

著者プロフィール

夫馬 賢治

株式ニューラル 代表取締役社長

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