
コンサルティング世界大手英KPMGは11月25日、世界大手のサステナビリティ関連報告書の動向を分析したレポートの2024年版を公表した。前回から2年ぶりの発表となった。
同報告書は、世界大手250社(G250)と、58カ国の大手100社合計5,800社(N100)を調査対象としている。G250の地域構成比は、米国32%、中国28%、日本9%、ドイツ6%、フランス4%、韓国、インド、英国、オランダ2%等。
サステナビリティ報告書の発行企業割合では、G250で96%、N100で79%と前回と変わらず。その中で、100%の発行率だったのは、日本、韓国、マレーシア、タイ、シンガポール、米国、南アフリカ。国別での割合上昇度では、サウジアラビアとチリが22ポイント増、アルゼンチンが14ポイント、トルコが13ポイント、ニュージランドとチェコが12ポイント増だった。
EU企業サステナビリティ報告指令(CSRD)に関しては、EU域外企業でも義務対象となるのが、米国3,000社以上、カナダ1,300社以上、英国1,200社以上、日本700社以上、オーストラリア600社以上、中国600社以上と見積もられている。その結果、報告書の中で、欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)やEUタクソノミーに言及している企業が、G250で14%、N100でも22%まで増えてきている。
アニュアルレポートの中で、サステナビリティやESGに言及している企業は、G250で82%、N100で62%。日本と並んでタイで100%、マレーシアや台湾で97%、中国でも55%、ベトナムで43%まできている。
報告書で参照されているガイドラインでは、GRIスタンダードが最多の7割越え(G250で77%、N100で71%)。またSASBスタンダードは、G250で56%、N100で41%となっている。また、各証券取引所が制定している基準では、中国、シンガポール、インド、マレーシア、南アフリカ、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア等で普及が進んでいる。
サステナビリティ情報の第三者保証では、G250で69%、N100で54%が取得。マテリアリティの設定では、ダブルマテリアリティの採用がG250で50%、N100で42%にまで伸長している。但し、北米とアフリカではマテリアリティを設定していない企業が比較的多い。
報告書の中で、温室効果ガス排出量の削減率設定割合は、G250では95%と、前回の22%から大幅にアップ。N100でも前回の9%から今回は80%へとアップした。気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)については、G250で72%、N100で43%。生物多様性への言及は、G250で56%(前回45%)、N100で49%(前回40%)だった。
サステナビリティ担当役員の任命状況では、G250では56%で前回の11%からアップ。N100でも前回の12%から今回は46%だった。また経営陣報酬へのサステナビリティ指標組入では、G250では前回の1%から今回は41%へと、N100では前回の6%から今回は30%へと大きくアップした。
【参照ページ】The move to mandatory reporting: Survey of Sustainability Reporting 2024
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく
ログインする
※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら