
米ドナルド・トランプ大統領は1月23日、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)にオンラインで登壇した。すでに発表している政策をあらためて表明するとともに、新しい方向性も示した。
まず、サウジアラビアと石油輸出国機構(OPEC)に対し原油コスト引下げを要請すると発表。トランプ大統領とサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子兼首相兼経済開発評議会議長と電話会談しており、サルマーン氏は今後4年間で米国への投資と米国との貿易で6,000億米ドル(約10兆円)を実現したい意思を表明した模様。トランプ大統領は1兆米ドルへの引上げを求めていくという。
それに伴い、エネルギー価格が下がれば、ロシアとウクライナの戦争もすぐに終結するとの展望も語った。原油価格が高いことが戦争が継続していることの要因として挙げた。また、原油価格が下がれば、金利も引下げにいくと伝えた。同時に、安全保障を強化するため、全ての北大西洋条約機構(NATO)諸国に対し、国防費をGDPの5%に引上げるよう要請する考えも披露した。
対中関係については、大幅な貿易赤字を是正する必要があると強調。一方、習近平国家主席との良好な関係を築いていけるとの見方も示した。また、ロシアと中国とともに、非核化の協議を進めていく意思も述べた。
対EU関係については、EUでの付加価値税や、輸入規制により、不公平な待遇を受けていると主張。米国のIT大手に課した過去の課徴金についても不満を表明した。
米国の法人税に関しては、現状の法人税率を21%と語り、さらに15%まで引き下げると説明。国内での製品生産を活性化し、雇用を創出する考え。
米国内のエネルギー政策に関しては、「燃料は何でもいい」と言及。クリーンコール(石炭)に関しても許容する考えも示したが、但し全面的な促進ではなく、バックアップとしての道を語った。また今後、AI等により米国内で2倍のエネルギーが必要になるとの認識も示した。工場やデータセンターが自家発電所を併設できるようにすることも促進する考え。
世界経済フォーラムが掲げている各分野の方向性と、トランプ大統領の政策は、不一致の面も多いが、トランプ大統領は今回、世界経済フォーラムを批判するような表現は避け、友好ムードを演出した。
トランプ大統領は同日、AI開発を促進する大統領令にも署名。前バイデン大統領が署名した「人工知能の安心、安全、信頼できる開発および使用」大統領令による政策や規則等をレビューするよう全ての連邦政府機関の長に命じた。AI開発大手各社に自主的に署名させた責任あるAIに関するコミットメントも今後の焦点となる。
【参考】【アメリカ】政府とマイクロソフト等7社、責任あるAIで共同コミットメント発表。8項目(2023年7月30日)
【参考】【アメリカ】アップル、米政府の自主AIコミットメント署名。合計16社に。NISTもガイダンス公表(2024年7月28日)
さらに同日、デジタル資産(仮想通貨)に関する大統領令にも署名。こちらも前バイデン大統領が署名した大統領令を無効とし、国家経済会議内に、デジタル資産市場に関する大統領作業部会を設置。作業部会の議長はAI・暗号特別顧問が務めることも決めた。作業部会は、米国におけるステーブルコインを含むデジタル資産の発行と運用を管理する連邦規制の枠組みを提案することをミッションとする。特にトランプ大統領は、米ドルと連動するステーブルコインにより、米ドルの覇権を強化することに関心を示した。一方、中央銀行デジタル通貨(CBDC)を米国の内外で促進する政策を禁止した。
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