
米政府とウクライナ政府は4月30日、米ウクライナ復興投資基金を創設する協定に署名した。米国としては資金・軍事協力の見返りに、ウクライナ天然資源の開発権を確保した。
今回の基金は、目的として、ロシアによる2022年の全面侵攻を受け、米国はウクライナを財政・軍事・制度面で支援したことに顧み、両国が持続的な平和と戦略的パートナーシップを志向し、民主主義、法の支配、市場経済に基づくウクライナの再建を目指すためと設定。特に鉱業・エネルギー・インフラ等の分野で、米欧等の国際投資家との協調的な投資を促進していくとした。
同基金には、米国際開発金融公社(DFC)とウクライナ官民パートナーシップ支援庁が出資し、双方が各々の国内法に基づき、今回の協定とLP契約を履行する。さらに、米政府がウクライナに軍事支援した場合にも、同基金への現物出資とみなされる点が大きな特徴。同基金には3人の理事で構成される法人が管理し、理事会が、投資や配分等の意思決定を行う。
同基金は、ウクライナ国内の天然資源開発に投資し、投資収益の50%を同基金が得る。同基金からの収益に対し、双方の政府は課税しない。また、ウクライナ・フリヴニャを米ドルへ自由に両替・送金できることも保障する。戦時下または外貨準備が著しく減少した場合には、一時的な制限を設けるが、その際は補償責任が発生する。
実行する天然資源開発に関しては、ウクライナ政府は、鉱物資源やインフラ開発案件で同基金に情報提供し、優先交渉権を付与することを確約。但し、ウクライナのEU加盟義務との整合性は尊重する。天然資源に関しては、化石燃料も含まれる。開発された天然資源に関しては、米国側が鉱市場ベースで最恵国のオフテイク優先契約交渉権を持つ。
米国側がオフテイクを選択した場合には、米国政府が購入者を指定する優先権が与えられる。さらに、同基金からの便益については、ロシアの軍事機関に資金提供または供給した国家、企業、個人は排除される。つまり、天然資源開発プロジェクトやオフテイクへの参加から排除される。
今回締結した協定に関しては、ウクライナ国会の批准が必要となることは明記。但し、米国連邦議会の批准は必要としない内容となっている。
【参照ページ】Agreement between the Government of Ukraine and the Government of the United States of America on the Establishment of a United States-Ukraine Reconstruction Investment Fund
【参照ページ】Treasury Announces Agreement to Establish United States-Ukraine Reconstruction Investment Fund
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