米国の廃棄物・リサイクル産業の業界団体、National Waste & Recycling Association(NW&RA)は7月9日、RFS(Renewable Fuel Standard:再生可能燃料基準)において、ランドフィルガス(ゴミ処理場から排出されるガス)を新たにセルロース由来のバイオ燃料として認めるというEPA(U.S. Environmental Protection Agency:米国環境保護庁)の最終決定に対し、賞賛の声を送った。
今回の最終決定により、EPAはRFSの中でランドフィルガスを正式にセルロース系バイオ燃料として認める予定だ。特に、ランドフィルバイオ燃料または自治体の固形生ごみ由来の圧縮天然ガス、液化天然ガス、車両用電気については、先進型セルロース系燃料として認められることになる。また、ゴミ由来の再生可能ディーゼル燃料、ナフサ、バイオガス由来の再生可能ガソリンの扱いについては結論を出さなかった。
RFSとは、米国で生産・輸入される自動車用のガソリン・ディーゼルに混合する再生可能燃料の目標量を定める基準のことを指す。毎年新たな基準が提案されており、2014年度は1,700万ガロンの再生可能な燃料の使用が義務付けられている。
セルロース由来のバイオ燃料は、米国の資源を石油の輸入依存から脱却させる進歩的なバイオ燃料だ。近年扱われている廃棄物の量を考えれば、米国の廃棄物・リサイクル産業は十分にこの目標を達成するエネルギーを生み出すことができる。
NW&RAの社長兼CEOのSharon H. Kneiss氏は「この最終ルールは廃棄物・リサイクル産業にとって喜ばしいものだ。廃棄物から生まれるバイオガスをセルロース由来燃料の新ルートと認めるというEPAの決定は、燃料産業におけるバイオ燃料の使用比率を上げるという彼らの目標を前進させ、エネルギープロジェクトに向けたランドフィルガスの開発に更なるインセンティブを提供することになる」と語った。
また、同氏は「これらのプロジェクトは、メタンガスを抑制し化石燃料の使用を抑えることでランドフィルからの温室効果ガスの排出を減少させる。この新しいルールによる変化で、ランドフィルバイオガスのマーケットはより価値ある商品となり、燃料産業はより多くのセルソース由来燃料に恵まれることとなるだろう」と付け加え、EPAの決定を高く評価した。
EPAが推進するRFSの基準および義務目標については、米国内のガソリン需要減やセルロース系バイオ燃料の生産の遅れなどを理由に、義務を課せられているエネルギー業界・自動車業界などから批判の声も上がっている。今回のEPAの最終決定により米国のバイオ燃料政策がどのように進んでいくのか、引き続き今後の動きに注目していきたい。
【団体サイト】National Waste & Recycling Association
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