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【国際】G7、最大1億バレルの石油備蓄放出で合意。米政府はディーゼル輸出禁止方針撤回

 2026年G7議長国を務める仏エマニュエル・マクロン大統領は10月2日、高騰するエネルギー価格、特にディーゼル燃料価格を抑制するため、G7諸国が4カ月にわたり戦略備蓄から最大1億バレルの石油を放出することで合意したと発表した。また米ドナルド・トランプ大統領は、ディーゼル燃料の放出が「直ちに」行われると述べた。

 今回の決定は、トランプ大統領が主にEU向けのディーゼル燃料禁止を示唆する発言を行ったことから端を発している。トランプ大統領は9月22日、国連総会に出席するために訪米したウクライナのゼレンスキー大統領との会談の前、「ディーゼルは輸出しないようにしよう、と私は言ってきた。我々は大量のディーゼルを生産している……私はそれを求めてきた。私は側近たちにそうするよう求めてきた」と発言。米ベッセント財務長官も、そのような禁止措置が実行可能かどうか、また全面禁止と部分禁止のどちらが有効かを検討していると述べていた。

 またその後、米ライト・エネルギー長官も「米国や日本は(石油備蓄放出の)約束を果たしているが、欧州の加盟国には一部しか放出していない国がある」と名指しで批判。報道によると、米政権はEUに対し、「欧州が自国の緊急備蓄を放出しない場合は、米国がディーゼル燃料の輸出禁止措置を発動する可能性がある」と直接伝達していたという。

 米政府がディーゼル燃料の輸出禁止を検討した背景については、米国で11月の中間選挙を控える中、全米のディーゼル平均価格が過去最高値を記録しインフレ懸念が強まっていたことや、農業州選出の連邦議会議員らから国内価格抑制のために輸出規制を求める圧力がかかっていたことがある。一方、トランプ大統領は今回、欧州を含めたディーゼル燃料の放出について、燃料価格の高騰を抑えるよう同盟国に協力を求めたと述べ、その功績を自らに帰した。またトランプ大統領は、米国はディーゼル燃料の輸出を禁止しないことを決めたとも述べた。

 さらに、追い打ちをかけたのが、ロシアのプーチン大統領が10月1日に対ロシア制裁が解除されるまでディーゼル燃料を世界市場に供給しない方針を表明をしたこと。ウクライナ軍によるドローン等での石油精製所攻撃が相次ぎ、国内の生産・供給能力が低下したことが背景にあった。

 一方、米政府内部でもディーゼル燃料輸出禁止には、慎重意見が多かったことも伺える。ライト・エネルギー長官は、「デイリー・コーラー」主催のイベントで、輸出禁止措置が実施されれば、米国メキシコ湾岸地域でディーゼル燃料が過剰供給となり、米国の精製業者が生産量を削減せざるを得なくなり、その結果、ガソリンの生産量が急速に減少することになると発言。「流通に障壁を設け始めれば、すぐに生産量が減少し、供給量が減少することになる。我々に必要なのは供給量の増加であり、減少ではない」とライト氏は述べていた。また、ダグ・バーガム米内務長官は、禁止措置によって石油価格が下がる可能性は低く、カリフォルニア州等の州がエネルギーの一部を依存しているエネルギー輸出国による報復措置を招く恐れがあると述べていた。

 企業からも反対意見が多かった。テキサス州の石油・天然ガス業界団体TXOGAのトッド・ステープルズ会長は、輸出禁止措置は「国内の雇用を壊滅させ、国内で燃料不足を招き、同盟国が需要を満たすために中国やロシアに頼らざるを得なくなることで、これらの国々に主導権を握らせることになる」と発言。さらに、米金融大手ゴールドマン・サックスも9月26日、米国が軽油の輸出を制限した場合の石油製品市場への影響を分析した報告書を公表。輸出禁止は当初、海外向けの軽油が国内に滞留し、在庫の積み上がりを通じて価格が下落するため、米国内の軽油価格を押し下げる一方、長期化すれば製油所の減産を招き、ガソリン価格を上昇させる可能性があると指摘。欧州や中南米、アジアにも供給不足が波及し、規制解除後も世界の石油製品価格に上昇圧力が残るとの見方を示した。

 ゴールドマン・サックスの分析では、米国の軽油生産はメキシコ湾岸に集中する一方、東海岸等は海外からも輸入している。輸出禁止によって余剰となるメキシコ湾岸の供給がこうした輸入を代替すると想定するが、パイプラインの輸送能力には制約がある。このため、外国船による国内輸送を認めるジョーンズ法の適用免除の延長を前提としたが、既存の輸出計画や輸送所要時間により、供給先の切り替えにも時間がかかるとみる。製油所では軽油、ガソリン、ジェット燃料等が併せて生産され、製品毎の生産比率を自由に変えることは難しく、軽油の在庫が貯蔵限界に近づけば、軽油価格の下落が加速し、精製マージンが悪化する。その結果、製油所が稼働率を下げ、ガソリンやジェット燃料の供給まで減る構図となるとした。

 さらにゴールドマン・サックスの分析は、戦略的石油備蓄の放出にも言及していた。ディーゼル燃料輸出禁止の欧州への影響について、輸出禁止が1週間続く毎に、…

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