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【国際】コンシューマー・グッズ・フォーラム、「ヘルス&ウェルネス2017報告書」発表

 主要食品・消費財メーカーや小売店が加盟する国際的な業界団体コンシューマー・グッズ・フォーラム(CGF)は3月9日、加盟企業による2016年の取組成果をまとめた報告書「ヘルス&ウェルネス進捗報告書」を発表した。同報告書の発表は今年で4回目。CGFがミッションとして掲げる健康に配慮した製品含有物の変更(Product Reformulation)では、商品約18万の商品で含有物の変更が行われた。報告書の作成は、CGFと米コンサルティングのデロイトが協働で作成した。

 CGFは、異なる3つの業界団体が統合する形で2009年に設立された世界的な団体。現在、70ヶ国から約400社が加盟。日本からも、食品メーカー、消費財メーカー、小売企業を中心に75社が加盟している。加盟企業全体の総売上は約420兆円、従業員数合計は約1,000万人。

 CGFは、環境サステナビリティ、社会サステナビリティなど複数の注力分野を設定している、「ヘルス&ウェルネス」もその一つ。「ヘルス&ウェルネス」は2011年に開始。2014年には「ヘルス&ウェルネス・コミットメント」を宣言し、加盟企業は、2016年までに、栄養素や製品含有物に関するポリシーを公表すること、及び「従業員ヘルス&ウェルネス・プログラム」を実施することを定めた。また同じく2018年までに、消費者に製品含有物等の情報を伝えるための業界全体の表示ラベルを展開すること、また特定の栄養基準を満たさない製品を12歳未満の子供に宣伝をすることをやめることも決めた。

 このコミットメントに触発される形で、スイス食品大手ネスレとオランダ小売大手アホールド・デレーズは、食品の健康に関する進捗を報告するためのタスクフォース「Health & Wellness Measurement and Reporting Taskforce」の発足を主導し、現在、CGF加盟企業のうち数十社がこのタスクフォースに参加している。「ヘルス・ウェルネス進捗報告書」作成も、このタスクフォースのもとで実施されており、今回は102社が回答した。回答した日本企業は、イオン、味の素、アサヒグループホールディングス、グリコ、ハラダ製茶、日立造船、伊藤園、日本生活協同組合連合会、花王、キッコーマン、キリンホールディングス、国分グループ本社、ローソン、ライオン、明治、三菱食品、森永製菓、森永乳業、日本酒類販売、ニチレイ、日世、日清食品、サッポロホールディングス、エスビー食品、センコー、サントリー、ヤマキ、山崎製パン、ヤマト運輸等。

 食品や消費財の含有物の変更では、多くの企業が取り組んだのがナトリウムの減量。回答を寄せた企業の内67%が実施した。続いて、砂糖減量(61%)、飽和脂肪酸減量(50%)、トランス脂肪酸減量(47%)、全粒穀物増加(25%)、ビタミン増加(20%)、防腐剤に使用されるパラベン減量(16%)、オメガ3増加(6%)だった。このように含有物の変更が行われた製品が増えた一方、70%以上の企業は健康配慮のため含有量変更を行った製品は全体の20%以下だと回答するなど、企業の取組はまだ小規模に留まっていることもわかった。

 4つのコミットメントの達成度合いでは、「2016年までに栄養素や製品含有物に関するポリシーを公表する」が27%、「2016年までに従業員ヘルス&ウェルネス・プログラムを実施する」が57%と、期限とした2016年中の100%達成からは程遠い結果となった。「2018年までに消費者に製品含有物等の情報を伝えるための業界全体の表示ラベルを展開すること」は35%、「2018年までに特定の栄養基準を満たさない製品を12歳未満の子供に宣伝をすることをやめること」は51%だった。

【参照ページ】New Report Shows Over 180,000 Consumer Goods products Reformulated
【報告書】Health & Wellness Progress Report 2017

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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