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カナダでは今、16歳から24歳までの若年失業率が国全体の失業率の2倍以上の高さとなっており、大きな社会問題となっている。就業機会だけではなく、就業機会を得るためのスキルすら得られない若年層が増えてきているのだ。そこで立ち上がったのがスターバックスだ。
スターバックス・カナダは6月12日、バンクーバー、カルガリー、トロントにおいて、各地のNPOと協力し、恵まれない境遇にある若年層に対し、キャリア開発の一環として同社の従業員向け研修プログラムを提供すると発表した。
同社は本プログラムに対して今後3年間で84万ドルを投入する予定だ。最初の1年間で、ホームレス、里親がいない、中毒からの回復途中、高等教育を十分に受けられていない、教育費用を賄う金銭的余裕がない、精神的疾患に悩まされている、といった様々な事情を抱えた134名の若者に店舗での業務を担当してもらう。その業務体験を通じて若者らが、将来の就職先を見つける、あるいは進学のために学校に戻ることができるよう支援するのが狙いだ。
スターバックス・カナダの地域広報部部長を務めるLuisa Girotto氏によれば、同プログラムは「困難な生い立ちを抱えた若者たちに、『希望』というプレゼントを与えるもの」だという。
スターバックスは、バンクーバーに1号店となる店舗のオープン以来ずっとカナダの若者支援を行っており、現在では、従業員の60%を若年層が占めている。また2009年以降は、若年層のビジネス実務知識取得や社会道義心の育成を支援している若年組織に対し、スターバックス財団を通じて総額79.4万ドルのStarbucks Youth Leadership奨学金を提供している。
バンクーバーが位置するブリティッシュ・コロンビア州南部では、過去10年間で350人以上の若者がバリスタブログラムを修了しており、そのうちの80%が進学あるいは就職に成功している。就職した者の中には、スターバックスに正社員として採用された者もいる。
バンクーバー、カルガリー、トロントにそれぞれの拠点を置くNPOのPacific Resources Community Society、Wood’s Homes、The Yonge Street Missionらもスターバックスの取り組みを高く評価しており、今後も協力関係を強化し、若者の支援をさらに充実したものにしたいと意欲を見せている。
スターバックスは、カナダの大学生に対する調査において、「最も理想的な企業」に選出され、「働きがいのある会社」としても4年連続で1位を獲得するなど、若年層からの支持も高い。
【企業サイト】Starbucks Canada
【団体サイト】Pacific Resources Community Society / Wood’s Homes / The Yonge Street Mission
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