【アメリカ】トランプ政権の予算案、環境関連予算が大幅削減の見込み。安全保障分野へシフト 2017/03/25 最新ニュース

 米トランプ政権の2018年度予算案の要点が明らかになってきた。3月16日のワシントン・ポスト紙が報じた。最も予算が削減されるのは、環境保護庁(EPA)で31%減。また、国務省(外務省に相当)も海外援助などを中心に29%減少する。一方、安全保障分野は大きな増額の見込みで、国防総省は9%増、国土安全保障省7%増、退役軍人省6%増となる模様。総じて、各省庁が実施してきた環境関連分野の予算が槍玉に上がった。

 今回示された予算案は、行政管理予算局(OMB)による「パスバック(打ち返し)」文書の一部で示されたもの。パスバックは、米国連邦政府の予算策定プロセスの一環で、各省庁からの予算要望に対し、予算管理を司るOMBが各省庁に対して査定結果を通知するもの。連邦議会に最終予算案は、パスバック以後に、各省庁、ホワイトハウス、与野党などとの最終交渉を重ね、作成されるため、パスバック以降も予算額が変動する。予算年度は10月1日に開始する。

 最も予算が削減される見通しのEPAは、予算削減だけでなく、3,200名の人員削減も盛り込まれている。予算削減では、気候変動に関する国際的なプログラムへの資金拠出を中止するとともに、研究開発局の予算を半減、有害廃棄処理場の汚染浄化プログラムや施行・順守保証局の予算も削減する。一方、飲料水や排水処理プロジェクトについては温存する。

 29%減となる国務省では、海外支援および国連や気候変動分野への拠出金が削減される。また、国連平和維持活動(PKO)予算、世界銀行など国際開発銀行への拠出金、フルブライト・プログラムを除く文化交流プログラム予算も削減される。一方、米国にとって重要度の高い国への経済発展支援は増額。また、海外軍事支援は従来の無償援助から有償援助への切り替えを図る。国務省の中で、海外支援を担当しいた国際開発庁(USAID)は、予算削減が直撃する見通しで、人員削減の観測も出ている。

 農務省(USDA)も21%の削減となる。主な削減対象は、国際食糧・教育プログラム予算、水・排水分野への融資・無償援助プログラム予算、女性・乳児・児童の栄養援助プログラム。また規模は未定だが、全米の農務省出先機関の人員削減も盛り込まれた。同じく21%削減となる労働省は、成果の小さかった高齢者や若年層の雇用支援で予算削減が敢行される。雇用支援NGOへの資金拠出も削減される見通し。一方で、失業保険の不正受給問題に対しては予算を増額し適正化を図る。

 商務省も全体として16%の削減。同省の一機関であり、地球環境に関する重要な調査を行ってきた海洋大気庁(NOAA)は18%の予算削減が提示されている。主要な気候科学機関の予算をはじめ、気象衛星計画、大規模な暴風雨や海面上昇に備える「沿岸部のレジリエンス」強化の予算に加え、外部委託調査、沿岸地域の管理、河口の保全等の多様な小規模プログラムや助成金も削られることになる。とりわけ、海洋大気庁の環境衛星データ情報局(NESDIS)は削減幅が22%と大きく、業務の大幅縮小が余儀なくされそうだ。同様に、航空宇宙局(NASA)の気候変動プロジェクト4件も終了に追い込まれる。

 その他、エネルギー省が実施している省エネ商品認証「エネルギースター」も予算が削減。内務省管轄の米国自然遺産への資金拠出も削減される。

【参照ページ】What Trump cut in his budget
【参照ページ】White House proposes steep budget cut to leading climate science agency

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