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【イギリス】豪マッコーリー、英国政府系再エネ投資銀行「グリーン投資銀行」を23億ポンドで買収

 オーストラリア投資銀行最大手マッコーリー・グループは4月20日、英国政府系銀行のグリーン投資銀行(GIB)を買収すると発表した。グリーン投資銀行は、英国政府が再生可能エネルギーへの投資促進を目的として2012年12月に設置した銀行。昨年末までに英国での再生可能エネルギープロジェクト99件に対し合計で約34億ポンド(約5,000億円)の出資を行ってきた。英国政府は昨年にグリーン投資銀行の民営化手続きを開始。ニック・ハード英国ビジネス・エネルギー・産業戦略閣外大臣はこの日、英国議会に対し、政府マッコーリーグループへの売却を決定したことを通知した。

 今回の買収により、マッコーリー・グループはグリーン投資銀行の普通株を100%保有する。買収金額は23億ポンド。そのうち17億ポンドは現金での支払、残りの6億ポンドはグリーン投資銀行の既存プロジェクトへの出資コミットメント。英国政府はグリーン投資銀行に対しこれまで15億ポンドを出資しており、M&A費用などを差し引いても今回の売却で約1億6,000万ポンドの収益が出た。

 また今回の買収では、グリーン投資銀行の株主の変更だけでなく、グリーン投資銀行が保有する再生可能エネルギー資産の権益保有者も大きく変更となる。まず、グリーン投資銀行の株主であった英国政府は、既存の資産のうち1億3,000万ポンド分の権益を引き続き保有する。この英国政府保有権益は、プロジェクトが進み、売却益が十分にでる状況になった後に売却される予定。一方大半の権益については、新たに設立される洋上風力発電投資会社が保有することとなる。この新設会社は、グリーン投資銀行が25%の権益を保有し、残りをマッコーリーグループの欧州インフラ基金「Macquarie European Infrastructure Fund 5(MEIF5)と英国大学教職員退職年金基金USSが保有する。

 今回の民営化手続の中では、民営化によりグリーン投資銀行の設立目的であった「低炭素社会への移行」が大きく損なわれることになるという声も大きく出たため、英国政府は2016年2月、グリーン投資銀行に「特別株式(Special Share)」を発行することを発表した。新たに設立される機関「Green Purposes Company」が特別株式全株を保有し、普通株株主は特別株式保有者、すなわちGreen Purposes Companyの同意なしに、グリーン投資銀行が定款で掲げる投資目的を変更できないことになった。英国政府は、Green Purposes Companyの理事指名委員会を設置し、3人の委員が慎重に理事の選任作業を進め、すでに再生可能エネルギー投資分野の専門家Tushita Ranchan氏が理事長に、その他の理事には、元スコットランド政府環境保護庁CEO、世界自然保護基金(WWF)幹部、英国下院下部委員会議長、環境活動家などが選ばれている。

 グリーン投資銀行は、投資目的を現在、「温室効果ガス削減」「天然資源利用の効率性向上」「自然環境保護または強化」「生物多様性保護または強化」「環境サステナビリティの促進」の5つに限定しており、特別株式のスキームによって、この目的は維持されることが期待されている。 

 買収したマッコーリー・グループは、この日、今後3年間に渡って、30億ポンド(約4,400億円)を投資していく計画を発表した。

 英国政府によるグリーン投資銀行売却は、英国財務省が進める政府機関民営化政策の一環。この他英国政府は、政府が保有しているロイド・バンキング・グループやブラッドフォード・アンド・ビングレー銀行の株式売約や、政府運営奨学金基金の売却を実施している。

【参照ページ】Macquarie-led consortium to acquire the Green Investment Bank
【参照ページ】Green Investment Bank to boost support for low carbon projects as government confirms sale to Macquarie
【参照ページ】Sale of Green Investment Bank
【参照ページ】Green Purposes Company statement on GIB sale
【参照ページ】GIB 'special shareholder' trustees nominated
【参照ページ】UK Green Investment Bank to establish a special share
【参照ページ】Bringing private capital into the Green Investment Bank

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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