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【ケニア】ビニール袋の使用、販売、製造、輸入を禁止する法律が施行。罰金最大400万円

 ケニアでビニール袋の使用、販売、製造、輸入を禁止する法律が8月28日に施行された。違反者には最大4年の懲役または38,000米ドル(約400万円)の罰金が科せられる。発展途上国では、使用後ビニール袋の投棄が大きな環境汚染を引き起こしており、とりわけ海洋に漂流する「海洋プラスチック」は、カメや海鳥、イルカ、クジラ等の海洋生物の生存を脅かす存在になっている。ビニール袋の使用を禁止したり使用に課税する法律は、中国、フランス、イタリア、ルワンダ等世界40ヶ国以上で導入されているが、違反時の懲役や罰金の重さは過去に類を見ない世界で最も厳しい法律となる。

 今回の法律は、ビニール袋の製造、販売、輸入業者の規制を主眼に置いているが、ビニール袋を持ち歩く市民も同様に警察による取締の対象となる。政府は環境対策のため、同様の法案の可決を過去10年間目指してきたが、国会で3回否決された後、今年2月にようやく可決された。その後、輸入業者らが法律の無効を求め裁判所に提訴したが、ケニアの上級裁判所の一つである高等法院(High Court)で最終的に棄却され、法律の施行が確定した。

 ケニアでは、スーパーマーケットだけで年間100万枚のビニール袋が配られてきたと言われている。同国では路上等にビニール袋が散乱する状況が常態化しており、排水口が機能不全に陥ったり、野生生物にも危害が及んだりしている。また、海洋プラスチックが自然分解されるには500年から1000年が必要だと見られている。また、ケニアでは飼育されていた肉牛の胃の中から大量のビニール袋が検出されるなど、市民の食にもリスクが及んでいる。そのため、早急な対策が必要となっていた。

 一方、ケニア製造業協会は、今回の法律により、ビニール袋製造・販売に携わってきた176社が廃業し、6万人が職を失うと反発している。ケニアで営業しているスーパーマーケット大手のカルフールやNakumattは、すでにビニール袋ではなく布製袋を使用している。青空市場で野菜や果物を販売する零細業者も、今後代替手段を探さなければならなくなる。

 法の施行に当たり、ケニア環境管理庁は新聞広告を出し、規制対象はビニール袋のみで、ごみ箱等に用いられるポリ袋やビニール包装は同法の規制対象外であることを明言した。

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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