米NGOのFood Democracy Now!とDetox Projectは8月、米国内で販売されている人気食品ブランドから規制値以上のグリホサートが検出されたと発表した。グリホサートは、モンサントの除草剤「ラウンドアップ」に含まれる成分で、発がん性が指摘されている化学物質。
【参考】【アメリカ】カリフォルニア州裁、モンサント除草剤の発がん性を認定。約320億円の賠償命令(2018年8月13日)
今回の試験は、グリホサートの検出試験で一般的に用いられる液体クロマトグラフィータンデム質量分析装置(LC-MS/MS)を用い、人気食品ブランドのグリホサート含有量を測定した。結果、「オレオ」「ドリトス」「チェリオ」「リッツ」「ゴールドフィッシュ」等の人気菓子から大量のグリホサートが検出されたという。米環境保護庁(EPA)は1990年代に日量1,750ppb/体重kg以上の摂取は危険と判断し、現在飲料水については700ppb以上は腎臓や生殖器に有害となると設定している。EUはさらに厳しく飲料水でグリホサート含有量基準を0.1ppb以下とするよう設定している。Food Democracy Now!とDetox Projectは、研究機関による独立調査の結果を踏まえ、0.1ppb以上は危険性が高いとした。
今回の検出試験では、最も含有量が高かったのは、ゼネラル・ミルズの「チェリオ」で1,125.3ppb。その他、ナビスコの「リッツ」で270.24ppb、ナビスコ「オレオ」で289.47ppb、ペプシコの「ドリトス・クールランチ」で481.27ppb、「レイズ」で452.71ppb、キャンベルの「ゴールドフィッシュ」で18.40ppbと、いずれも0.1ppbを大幅に上回る量が含有しているという結果が出た。
人気食品にグリホサートが大量に含まれるようになった背景について、同レポートは、モンサントのラウンドアップが認可され、全米農地で大量に散布されるようになったためと指摘。遺伝子組換え(GMO)作物以外でもグリホサートは使われているという。
今回の結果を受け、Food Democracy Now!は、EPAに対し、グリホサート含有量をこれまで適切に検査、監督できなかった原因の究明と、収穫前の乾燥状態の穀物にランドアップ散布を禁止するよう求めた。さらに、EPAが機密情報として公開していない食品業界から提出されたデーを全て公開することも求めた。
【参照ページ】Breaking: Alarming Levels of Monsanto's Glyphosate Found in America's Food
【レポート】Glyphosate: unsafe on any plate
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