英シンクタンクは3月12日、再生可能エネルギー電力が、新設石炭火力発電及び既存の石炭火力発電よりも安くなるタイミングを地域別分析したレポートを発表した。その結果、日本を含む世界で石炭火力発電の投資65兆円が無駄になると算出した。
今回の分析は、国際環境シンクタンクNGOカーボントラッカーが実施したもの。発電価格として一般的な均等化発電原価(LCOE)を分析指標とした。分析対象地域は、米国、EU、中国、インド、オーストラリア、ASEAN、トルコ、その他、そして日本。同分析によると、日本が最も再生可能エネルギー発電価格が高い状況だった。一方、EUでは、石炭火力発電の9割以上が再生可能エネルギーよりも発電価格が高くなっている。また中国でも約7割の石炭火力発電所が再生可能エネルギーよりも発電価格が高くなっている。
(出所)Carbon Tracker
また、将来の予測では、2030年までに日本も含む全ての地域で、再生可能エネルギー発電価格が石炭火力発電より安くなると見通した。現在、計画中の石炭火力発電の設備容量は世界全体で499GW。2030年までに石炭火力発電の競争力がなくなることを考慮すると、全体で6,380億米ドル(約67兆円)の投資が無駄になると算出した。計画中の設備容量は、中国だけで200GW超、ASEANで78GW超、インドで65GW、トルコで33GW、日本で12GWある。中国ではすでに再生可能エネルギーの方が安くなっていることを考えると、200GW超の建設計画が撤回されていく可能性も高いと言える。
【参照ページ】Coal developers risk $600 billion as renewables outcompete worldwide
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