
大阪ガスと環境DNA分析AdvanSentinelは2月6日、経済産業省の「令和6年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」に、フィリピン及びベトナムでの水田プロジェクトが採択されたと発表した。水田由来のメタンガス排出削減と生物多様性保全を両立させるビジネスモデルの構築を目指す。
日本政府は、二国間クレジット制度(JCM)を活用し、2030年までに累計1億t、2040年までに累計2億tの温室効果ガス削減を目標に掲げており、国別削減目標(NDC)としても活用を予定している。東南アジア等の水田地帯では、栽培期間中に水を抜いて土壌を乾燥させる間断かんがい技術(AWD)の導入が進められている。AWDは、常時冠水状態と比較してメタン排出量を約30%削減できる一方で、水を抜く期間が長くなることで水生生物等の生態系に悪影響を及ぼす懸念があった。
大阪ガスは2025年12月、Green Carbonと共同で、水田の中干し期間延長の取り組みにおいて環境DNAを用いた生物多様性への影響調査を実施し結果を可視化したと発表していた。今回の事業でも、同様の手法を通じて、AWDに伴い水田の水を抜く前後での生物多様性への影響を調査し、生物多様性の実態を可視化したクレジットの創出とホスト国にノウハウを提供することを目指す。
【参考】【日本】Green Carbonと大阪ガス、水田の中干し期間延長の生物多様性影響可視化。国内初(2025年12月20日)
同事業の実証期間は2026年3月から2027年3月まで。フィリピンとベトナムのAWD導入済み水田を対象に、AdvanSentinelの環境DNA分析技術を活用し、水田の水や土壌に含まれる生物の微量な遺伝子情報を解析することで、AWD導入による水抜き前後の生物種数を定量的に評価する。
また、カーボンクレジット創出を手掛けるGreen Carbon等と連携し、収益性や市場性のフィージビリティスタディ(FS)も実施。現地大学、研究機関とも連携し、役割の整理や事業化までのステップを検討し、2027年度末までに両国で20件規模のプロジェクトに環境DNA評価のプロセスを実装することを目指すとした。
【参照ページ】水田JCMクレジット創出に関する補助事業の採択について~生物多様性保全が証明されたクレジット創出及び事業化に向けた調査事業~
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