欧州委員会は12月17日、EU27加盟国の企業に関し、R&D投資とEUの技術競争力の状況を分析した年次報告書「R&Dスコアボード」を発表した。EUは政策で掲げた強化技術分野に関する企業の到達度を把握するため、毎年分析レポートをまとめている。
2019年の企業R&D投資額は、2018年の4.7%増を上回り、5.6%増。牽引した分野は、自動車、ICT、医療セクターだった。その中でも、成功例として、新型コロナウイルス感染症ワクチンをファイザーと一緒に開発したBioNTechを挙げた。BioNTechは、創業早期にEUから1.08億ユーロ(約140億円)のR&D補助金を得ており、今回、技術的にも社会的にも経済的にも大きく花開いた形となった。
今回発表した世界2,500社のR&D投資額ランキングでは、1位から順に、アルファベット、マイクロソフト、華為科技(ファーウェイ)、サムスン電子、アップルで、ICTセクターが上位を占める。EUは今回の発表でも、ICTと医療では米国と中国に負けていると指摘している。
6位以降は、フォルクスワーゲン、フェイスブック、インテル、ロシュ、ジョンソン&ジョンソン、ダイムラー、トヨタ自動車、メルク、ノバルティス、ギリアド・サイエンシズの順。
欧州グリーンディール戦略を掲げるEUは、同レポートの中でもグリーン分野のR&Dだけで1章を割き、競合分析を実施。EU企業が世界をリードできているかにも目を光らせている。
【参照ページ】2020 EU Industrial Research and Development Scoreboard: EU companies remain robust and increase investment amidst stiff global competition
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