世界銀行は1月10日、世界経済の見通しに関する報告書を発表した。世界の経済成長率が過去30年間で3番目に低い数字となるとし、世界的な不況を予測した。
今回の発表は、2023年の世界経済の見通しを報告したもの。世界全体と地域別の経済成長率、新型コロナウイルス・パンデミック後の投資、小国が直面する課題について分析した。世界的なインフレと金利の上昇、債務水準の悪化、投資額の減少、ロシアのウクライナ侵攻によるサプライチェーンの混乱等により成長率の急激な鈍化を予測。新たな悪材料が生じた場合、世界経済を更なるリセッションに追い込む可能性があるとした。
2023年の世界経済成長率は1.7%と予測。2009年と2020年の世界不況に次ぐ3番目の成長率の低さとなる見通し。先進国全体では成長率が2022年の2.5%から2023年は0.5%に減速、米国は0.5%、欧州は0%、中国は4.3%といずれも前回予測から大きく下方修正された。日本の2023年の成長率は1%の予測。
中国を除く新興国及び発展途上国の経済成長率は2022年の3.8%から2023年は2.7%に減少、2022年から2024年までの総投資額は年率平均約3.5%増加する見込みだが、過去20年間の半分以下の投資額となる。一人あたりの所得の増加率は2.8%であり、2010年から2019年までの平均値より1%ポイント低い。世界の貧困層の60%を占めるサブサハラ・アフリカにおいては1.2%と予想され、貧困率上昇の可能性を報告した。
同報告書では、新興国及び発展途上国における景気後退と債務危機のリスクを軽減するため、世界的に早急なアクションが必要だと訴えた。既存の非効率な補助金等の見直しと財政支援が脆弱なグループに対する集中的な支援を行い、国際社会から新興国への新規融資を含めた支援が必要だとした。
【参照ページ】World Bank: sharp, long-lasting slowdown to hit developing countries hard
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