
国土交通省と経済産業省は7月19日、国内空港で燃料供給不足が発生している問題に関し、行動計画を発表した。短期と中長期の対策の方向性を示した。
現在、日本各地の空港では、燃料供給不足により、週140便ほど燃料を供給できず欠航する事態が発生している。背景には、インバウンド需要が急回復すると同時に、海外航空会社の新規就航等がる。両省は、燃料不足が、インバウンドの足枷となるととらえ、対策に乗り出している。
行動計画策定の構成メンバーとなったのは、定期航空協会、全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)、国際航空運送協会(IATA)日本事務所、在日航空会社代表者協議会(BOAR)、成田国際空港、関西エアポート、中部国際空港、北海道エアポート、福岡国際空港、石油連盟、ENEOS、出光興産、コスモ石油、コスモ石油マーケティング、全国空港給油事業協会、日本内航海運組合総連合会。
短期施策では、需要量把握の精緻化、供給改善、輸送改善の3つを挙げた。需要量把握の精緻化では、石油元売会社等の年間の燃料供給計画の策定に資するよう、空港会社等において、就航・増便等の確度の高い情報を収集・整理し、時間的余裕を持って石油元売会社等に提供する。供給改善では、商社や石油元売会社が空港会社等と連携して空港への直接輸入を実施する。7月に第1船入港を実施し、成田国際空港にアジア便300便相当の供給力を確保する。同時に、国内製油所の定期改修時に他製油所で必要分の増産を認めるエネルギー供給構造高度化法の特例運用を始める。これによりアジア便140便のジェット燃料生産を実現する。
輸送改善では、製油所から空港へのローリー直送を増加。アジア便週150便相当の月15,000kLを確保する。また、既存の船舶を活用した積荷・運送計画等の変更や、外航船の日本籍内航船への転用などにより、輸送力を強化し、年内に外航船内転2隻、新造就航1隻による輸送量強化を実現する。人手不足に陥っている給油作業員の確保のため、空港毎の合同説明会等を国が後押しする。
中長期施策では、製油所・油槽所の既存タンクのジェット燃料タンク転用等で供給力を強化。空港のジェット燃料タンクの容量拡大等も検討する。輸送では、ジェット燃料専用のローリーを追加的に確保する必要性について検討する他、船舶の大型化や、老朽化した荷役設備の更新等も検討する。人手不足対策では、給与増に向けた対話を関係者間で実施していく。
【参照ページ】「航空燃料供給不足に対する行動計画」を公表します
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