
二輪世界大手米ハーレーダビッドソンは8月20日、ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン(DEI)方針の一部を撤回すると発表した。同社はニューヨーク証券取引所に上場している。
同社は今回、DEI方針を巡り、過去数週間、SNS上で保守派の反DEI運動側の批判に晒されてきたと述べ、同社のファンの間で分断が発生したと表明。事態を深刻に受け止め、同社としての状況を明らかにすべきと考え、今回の表明に至ったと説明した。
同社は2024年に、同社のDEI方針に関し、内部ステークホルダー・レビューを実施し、4つの決定を下したという。まず、DEI方針については、2024年4月にDEI部門を廃止し、人材採用でのダイバーシティ割当(クォータ)制度や、サプライヤーのダイバーシティに関する金額目標設定を撤回した。
次に、各部門の上級管理職に対し、専門性育成、ネットワーキング、メンタリングに集中することを通知。言及は避けたが、DEIに関する管理職の責務を撤回したとみられる。
3つ目は、同社及びハーレーダビッドソン財団による業界団体への加盟やスポンサー活動については、すべて同社本社で決裁する体制へと移行。すでに、災害初動対応者(ファースト・レスポンダー)、現役軍人、退役軍人への支援を決定したと表明し、他にはモータースポーツ振興や二輪愛好家向けの支援を優先するとした。ハーレーダビッドソン財団については、本社のあるウィスコンシン州ミルウォーキー市の振興に対象を絞る。一方、米人権NGOヒューマン・ライツ・キャンペーン財団(HRC)が実施しているLGBTQに対する差別撤廃評価「企業平等指数(Corporate Equality Index、CEI)」へは今後一切参加しないことを決めた。
最後は、社員研修に関しては、業務上の必要性にのみ基づいて実施し、社会的動機に関する内容は排除することを決定。但し、法定義務のあるものは実施する。
保守派によるSNS攻撃は、他の米国企業にも及んでおり、すでに農機大手ジョンディアとトラクターサプライも、DEI方針の撤回を発表している。
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