
国際アルミニウム・サステナビリティ認証策定NGOのアルミニウム・スチュワードシップ・イニシアチブ(ASI)は12月5日、ASI認証のASIパフォーマンス基準5.3条と5.4条の適用免除ルールを発表した。2025年1月1日から発効される。
今回の免除ルールの緊急導入は、1.5目標と整合するアルミニウム業界の温室効果ガス排出量削減を短期的に達成することが困難になっていることを考慮したもの。ASIは2022年に、ASIパフォーマンス基準第3版を発行し、ASI認証取得企業に対し、1.5℃シナリオと合致する排出削減の実現を義務化している。
具体的には、ASIパフォーマンス基準5.3条で、排出削減計画を策定と、計画を実現するための排出削減戦略の一環として5年以内の中間目標を設定することを義務化。5.4条で、同計画を実現するための排出マネジメントの実践も義務化している。また、ベースライン年から3年以上経過したASI認証監査では、事業者は、少なくとも直近の認証期間の平均で、方法論から導き出された1.5℃パスウェイに従っていることを示すことを課している。
しかし今回、「主に変化を妨げる構造的な障壁により、事業者の管理範囲を超えるものとして、1.5℃シナリオに沿った排出削減を行っておらず、ほとんどの事業者にとって、これらの障壁は今後3年から5年以内に克服することは困難」と言及「ASIは、今後1回から2回の認証サイクルの間に、1.5℃パスウェイの整合性に関する不適合が繰り返されると予想している」とした。
さらに、「今後5年以内に、ASI認証取得のアルミニウム製錬所の最大90%が影響を受けると推定され、現行の保証枠組みの下では認証が失われる可能性もある。これらの事業者が明確な排出削減目標に向けてASI認証を通じて取り組むことをやめるため、影響は軽減される可能性がある」とした。
そこでASIは今回、ベースライン年から3年以上経過したASI認証監査において、1.5℃パスウェイとの整合性が実証できない場合においても、特定の「構造的な障壁」カテゴリーが原因と認められる場合は、同要件の遵守を免除。但し、是正計画の策定と進捗状況のモニタリング及び年次報告は求められる。適格な「構造的障壁」の要件は、ルールの中で提示されている。
同時に、5.3条の遵守を確認するための「適合性ツール」をエクセル形式で公表。使用は任意だが、遵守状況を自主的に確認できる。
【参照ページ】GHG Emissions Reduction: ASI introduces flexibility to assurance framework; publishes Conformance tool
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