
国際エネルギー機関(IEA)は9月16日、石油・ガスの将来的な生産見通しを分析した報告書を発行。2025年末以降に新規・既存プロジェクトへの投資が一切行われない場合、世界の石油生産量は2035年まで年平均約8%減少し、天然ガス生産量は年平均9%以上減少すると発表した。
同報告書は、世界中の約15,000の油田・ガス田からの生産データを分析。石油・ガス田の生産量が時間とともに減少する自然減により、減少速度が大幅に加速。今後、毎年ブラジルとノルウェーの生産量を合わせた規模の量が減少していくと伝えた。
生産の減衰率は油田の種類や地域によって大きく異なり、中東の陸上超大型油田は年平均2%未満となる一方、欧州の小型海洋油田は年平均15%超の減衰となる。タイトオイルとシェールガスの減衰はさらに急峻で、投資がなければ生産量は1年目で35%超、2年目でさらに15%減少する見通し。
過去状況では、2010年時点で上流投資が停止した場合、石油供給量は年間で日量400万バレル弱減少していたが、現在では日量550万バレルに減少量が拡大。天然ガスの減少量は年間で毎年1,800億m3のペースだったものが2,700億m3に上昇する。さらに今後の見通しでは、2035年の減少量は石油で日量4,200万バレル、天然ガスは16,000億m3にまで上昇。生産量は、非従来型石油で現状から70%以上減、従来型石油も約55%減となる。
IEAのネットゼロ・シナリオ(NZEシナリオ)との関係性では、石油需要は2035年に日量5,500万バレルにまで減少し、天然ガス需要は22,500億m3にまで低下するとしているが、現状の自然減のペースはNZEシナリオで必要となる量も確保できなくなる。
そのため、IEAは、世界の石油・ガス生産量を一定に維持する場合には、新規資源の開発が不可欠と指摘。既存油田への継続的投資があったとしても、現在の生産水準を維持するには2050年までに新規従来型油田で日量4,500万バレル以上の油田開発と年間約2,000億m3のガス田開発が必要になると伝えた。一方、石油・ガス需要が減少すれば、必要量は少なくなるとした。
【参照ページ】Declines in output from existing oil and gas fields have gathered speed, with implications for markets and energy security
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