
コモディティ情報世界大手S&Pグローバル・コモディティ・インサイトは9月25日、同社サービス「プラッツ」を通じ、鉄鉱石の温室効果ガス原単位排出量データと、カーボンオフセット済み鉄鉱石コモディティ価格「Carbon-Accounted Iron Ore Price Assessments」の日次データを世界で初めて発表することを表明した。
プラッツは9月11日から、欧州市場を対象に炭素排出量考慮済み鉄筋及び中形形鋼の週次スポット価格の発表を開始。従来の鉄筋価格及び中形形鋼の価格に、温室効果ガス排出量を考慮しカーボンクレジットでオフセット場合の価格をプレミアム(カーボン・インテンシティ・プレミアム)として加算した金額の発表を世界で初めて開始している。発表を開始したデータは、「欧州鉄筋炭素勘定プレミアム(Rebar CASP)」「欧州中形形鋼炭素勘定プレミアム(Medium Sections CASP)」「北西ヨーロッパ鉄筋炭素勘定価格」「欧州中形形鋼炭素勘定価格」等。
今回発表を開始するデータは、鉄鉱石市場にカーボン・インテンシティ・プレミアムの概念を導入したもの。対象は高炉製鉄用の鉄鉱石で、プラッツの世界的なベンチマークである「62%Fe鉄鉱石指数(IODEX)」にカーボン・インテンシティ・プレミアムを加算している。
算出する温室効果ガスは、採掘、内陸輸送、積込と、オーストラリアとブラジルの主要港から中国・青島までの海運による排出量が対象。乗するカーボンクレジットの価格は、高品質のクレジットに限定し、基本的には各地域市場で発表されている二酸化炭素排出量取引制度(ETS)の取引価格データが用いられている。さらにカーボンクレジットは、削減系クレジット(CAC)、吸収・除去系クレジット(CRC)、再生可能エネルギーによる回避系クレジット(CEC)に3つ区分し、別建てでデータを発表。CRCに関しては、別途、自然を軸としたソリューション(NbS)型クレジットに関し市場データを集計し、価格を算出している。CECに関しては、CORSIA適格クレジットのみを対象とする。
【参照ページ】S&P Global Commodity Insights Launches World's First Daily Carbon-Accounted Iron Ore Price Assessments
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