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【国際】WBCSD、サステナビリティ報告の外部保証に関する新たなフレームワークを提示

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 サステナビリティを推進するグローバル企業ら200社で構成されるWBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)は2月15日、サステナビリティ報告における外部保証の価値と活用方法についてまとめた報告書、"Assurance: Generating value from external assurance of sustainability reporting"(「保証:サステナビリティレポートの外部保証による価値創出」)を公表した。

 同報告書は、第三者保証の取得によりレポートの信頼性とレポートを発行する価値が強化されるとしたうえで、保証機関や国際的なガイドラインも踏まえてサステナビリティレポートの外部保証における方向性を提示し、レポート作成者を支援する内容となっている。

 世界中の上場企業の間でサステナビリティレポートの発行が一般的となりつつある中、開示の有無はもちろん、開示情報の信頼性や正確性といった「質」が問われるようになってきており、そのための独立した第三者によるレポート外部保証の重要性が高まってきている。

 一方で、レポートの外部保証による価値創出やその活用方法については企業によって取り組みレベルが異なるのが現状だ。WBCSDは今回報告書の中で、新たに企業の外部保証における成熟度に関するフレームワーク、「Assurance Maturity Model」を公表し、企業のレベルに応じた外部保証の活用方法を提示した。

 Assurance Maturity Modelでは外部保証に取り組む企業のステージを「Responsive(対応)」「Enhanced(強化)」「Leveraged(活用)」の3つに分け、それぞれのステージに応じた外部保証のアウトカム(価値)とスコープ(保証範囲)を整理している。

ステージ1:Responsive

  • アウトカム:コンプライアンス(規制や市場メカニズム、外部からの圧力や期待への対応)
  • スコープ:データ(一部のKPI)

ステージ2:Enhanced

  • アウトカム:パフォーマンス(内部統制・データ収集・パフォーマンス強化)
  • スコープ:マテリアリティ(マテリアルな開示情報)

ステージ3:Leveraged

  • アウトカム:競争優位性(透明性と信頼性向上による戦略的差別化)
  • スコープ:バランス・統合(全ての報告が一般的な基準を満たしている)

 同報告書を活用することで、サステナビリティレポートを発行する企業はレポートに記載する情報を検証する際、自社がどの地点におり、どこを目指していくのか、継続的な改善を通じてどのように価値を創出できるかについて理解を深めることが可能となっている。また、報告書には各ステージに応じた価値創出の可能性を明確にしたうえで、成熟度を高めていくための提言が盛り込まれている。

 WBCSDの会員企業は、加盟後1年以内にサステナビリティ関連のパフォーマンスおよびその効果についての報告が求められるが、2014年~2015年のデータに基づくWBCSD Reporting Matters によると、会員企業の大部分が開示内容の正当性を明示するために外部保証を適用しているという。

 WBCSDが運営するRedefining Valueプログラムの担当責任者を務めるRodney Irwin氏は「サステナビリティ関連情報の質と完全性の強化が進められている一方で、課題はまだ残されている。この報告書により、会員企業、レポート担当者、保証提供者の実績および(今後への)期待を明らかにすることができた。今回、我々は主要なガイドライン機関、特にCDSB(Climate Standards Disclosure Board)、GRI(Global Reporting Initiative)、IIRC(International Integrated Reporting Council)、SASB(Sustainability Accounting Standards Board)にも協力をしてもらった」と語る。

 サステナビリティ情報開示の信頼性を担保する上で第三者保証は非常に有効だが、その実施状況や活用レベルについては企業により差があるのが現状だ。外部保証を通じて報告業務が生み出す価値をさらに高めていきたいと考えるCSR担当者の方はぜひ同報告書を参考にしていただきたい。報告書は下記からダウンロード可能。

【レポートダウンロード】Assurance: Generating value from external assurance of sustainability reporting
【団体サイト】WBCSD
【参照サイト】Reporting Matters 2015

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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