コカ・コーラおよびボトラー各社は6月5日、同社が掲げている2020年までの水資源保護目標に対する順調な進捗状況および2013年の実績を発表した。
同社は「2020年までに、製造過程および最終製品において使用された水と同等の量の水をコミュニティおよび自然界に対して安全な形で返す」という壮大な目標を掲げており、ボトラー各社と協力して様々な活動に取り組んでいる。
「Water Neutrality(ウォーター・ニュートラリティ)」と呼ばれる同社の挑戦は、水資源保護、取水、水質管理、効率的利用、排水管理という5つの取り組みを通じて水資源のサステナブルな循環システムを作り上げることが目標だ。
2013年においては、同年に販売された最終製品に使用された水の約68%に相当する水資源をコミュニティに返すことに成功した。現在までに、100カ国以上の地域で展開された509のプロジェクトを通じて、合計約1,085億リットルの水資源をコミュニティへと返した計算になる。
コカ・コーラ社のサステナビリティ最高責任者を務めるBeatriz Perez氏によれば、「ウォーター・スチュワードシップ(同社の水資源管理プロジェクト)は、グローバル横断で取り組んでいるサステナビリティ向上に向けた取り組みの中でも最も優先順位が高いものだ。このような高い目標を設定し、その実現に向けて取り組むことで、我々のビジネスの価値の源泉となっている水資源を効率的かつ責任ある形で管理している」と述べた。
同氏によれば、現在コカ・コーラ全体のうち80%のビジネスユニットが、2020年までの目標を達成するペース、もしくはそれを上回るペースで水資源保護が進んでいるという。
例えばインドでは、製造工程において使用した水資源の100%以上をコミュニティに返すという目標を掲げているが、国を挙げたプロジェクトのサポートもあり、これまでに当初の目標を上回る130%以上の水を返した計算となる。
インドで取り組まれてきたプロジェクトとしては、安全な水へのアクセスや学校における公衆衛生の提供、雨水集水システムの建設、貯水池の復旧、農業における水使用の効率向上を目的としたダムや止水設備の点検などが含まれる。
また、2014年の3月にはペルーのトルヒーリョのボトラー工場がLEED認証を取得した。同工場は南米最高峰となる最新設備を備え、優れた製造効率、エネルギー・水使用効率を実現している。
上記の他にも「ウォーター・ニュートラリティ」の実現に向けた同社の取り組みは幅広く、自社で使用した水を各地域が定めている環境基準以上の品質を担保する排水処理や、水使用の効率化に向けた取り組み(2012年には2004年比で21.4%の効率化に成功)、世界中に広がる全ての自社設備における水資源保護計画の策定や水源の脆弱性評価なども行っており、水のサステナビリティ向上に向けてボトラーと一丸となって取り組んでいる。
コカ・コーラの事業にとって最大の資源である水。水のサステナビリティは同社のサステナビリティそのものだ。ぜひ2020年の目標達成に向けた今後の取り組みに期待したい。
【企業サイト】Coca-Cola Company
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