持続可能な調達を推進する米国のNPO、Sustainable Purchasing Leadership Council(以下、SPLC)は2月5日、同団体が作成した持続可能な調達に関する新たなガイダンスの初版となる”Guidance for Leadership in Sustainable Purchasing v1.0”を公表した。同ガイダンスのパイロットプログラムに合計1,000億円以上の調達予算を持つ80の組織が参加する予定だ。
同ガイダンスはSPLCに参画している政府、産業界、学術界、規格機関、市民団体のリーダーらが2年間に渡る協働により完成させたマルチセクター向けプログラムで、組織の調達リスクを軽減し、より持続可能な調達の実現を手助けすることを目的としている。調達側の組織や企業に対し、市場イノベーションを促進し、彼らのサプライチェーンにおける環境・社会・経済パフォーマンスの最適化を図るための具体的なアドバイスを提供する。
SPLCの役員を務めるJason Pearon氏は「多種多様なセクターや地域の組織がこのガイダンスを使用することができる。自身が購入した商品やサービスの環境・社会・経済的な影響を知ることで、目指すべきゴールのためにどのような進化が必要で、どのような行動をとることが最善なのかを見極めることができる。このガイダンスは自主的なプログラムであり、将来持続可能な調達においてリーダーシップを発揮する組織を報いるための評価システムの基礎となるだろう」と語った。
同ガイダンスのパイロットプログラムに参画する調達組織としては、米国連邦政府調達局、米国環境保護庁、カルフォルニア州調達局、ミネソタ州公害管理局、米国の航空機メーカーのロッキード・マーティン、オフィス・デポ、オハイオ州クリーブランド市、オレゴン州ポートランド市、カルフォルニア州サンタモニカ市、ワシントン州キング郡、エモリー大学、カルフォルニア大学サンタバーバラ、ポートランド・コミュニティカレッジなどが挙げられ、行政機関から企業、大学にいたるまで幅広い組織が含まれる。
また、サプライヤー側としてパイロットプログラムに参加する企業の中にはAsia Pulp & Paper、ASSA ABLOY、Ecolab、Little Footprint Lighting、TreeZeroなどが含まれている。なお、パイロットプログラムの募集は引き続き行われている。
SPLCは同ガイダンスの公表にあたって同日にウェビナーを開催し、その中では同ガイダンスが生まれた背景や業種別のガイダンス活用方法、パイロットプログラム、同ガイダンスに基づいて2016年までに完成する予定の評価システムなどについて共有された。
持続可能な調達は、サプライチェーンの環境・社会・経済の全ての面に多大な影響を及ぼしうるとても大きなテーマだ。調達側の基準が変わることでサプライヤーはより持続可能な事業慣行が求められるようになり、結果としてグローバルサプライチェーンの末端にいるローカルの人々や中小企業に大きな好影響をもたらすことができる。
SPLCが今回開始したパイロットプログラムは莫大な調達予算を持つ組織が数多く参加するだけに、今後の取り組みと効果が期待される。公表されたガイダンスは下記から確認可能。
【参考サイト】Guidance for Leadership in Sustainable Purchasing v1.0
【団体サイト】Sustainable Purchasing Leadership Council
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