アパレル小売業大手のH&Mは、衣料品の循環型生産システムを完結させるための革新的アイディアに対し、財団H&M Consciousから計100万ユーロの助成金を授与することを発表し募集を開始した。締切は10月31日。
同社は、繊維素材が生活環境に与える影響を考慮するなど、リサイクル活動を積極的に推進している。今回の助成対象は、ファッション業界における従来の直線的な生産・消費ラインに対し、より初期段階からリサイクルの工程を加味することで循環型ライフサイクルに変容させる、いわばH&Mが最終目標として掲げた「ループを閉じる」ための先駆的アイディアである。これにより、批判の矛先を向けられている大量消費文化や低価格衣料製品の使い捨てを見直し、限られた天然資源の保全を図ることを主眼とする。
選考は2段階にわたる。第1段階では専門家で構成される審査員により5人の候補者を選抜、彼らに計50万ユーロを授与する。第2段階では広くオンライン投票を実施、優勝者には50万ユーロが寄贈される。開発中のアイディアについては、実現に向け、KTH(Royal Institute of Technology)及びコンサルタント会社Accenture Strategyによるサポートが受けられる。最終的な選考結果は、2016年にストックホルムで開催される式典で発表される予定である。
H&M社は2013年以降、不要なブランド衣料を回収し再加工するといった「Garmento Collecting」活動を展開しているが、執行部のトップを務めるKarl-Johan Persson氏は、「ファストファッションも含めファッション関連企業の多くが変容すべき時を迎えている」と指摘。今回の取り組みは、H&Mが先鞭をとる形で、直線型のバリューチェーンを循環型に変えるための斬新な科学技術を、開発途中段階から募集し支援・育成する姿勢が特徴的だ。
【参照リリース】H&M otorgará una beca de un millón de euros para promover el reciclaje
【団体サイト】H&M
【参考サイト】global change award
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