循環型社会の実現に向けた取り組みがアパレル業界で進んでいる。米衣料品大手のリーバイスは昨年、埋め立て廃棄の削減を目的とする衣服と靴のリサイクルプログラムを米国で開始したが、同社は2月29日、英国を皮切りに同様の取り組みをヨーロッパでも展開すると公表した。
同プログラムでは、消費者は使用済の衣服や靴をリーバイスの店舗に持参し、設置された箱に入れることで10%割引クーポンを受け取ることができる。持参する衣料品はリーバイスブランド以外のものでもよい。英国では現在35万トンもの衣服が埋め立てゴミとして廃棄されているが、リーバイスは同プログラムを通じて衣料品廃棄の削減を目指す。
リーバイスのサステナビリティ部門責任者を務めるMichael Kobori氏は「我々は、我々の事業の全ての側面においてサステナビリティの視点を持つようにしており、衣料品のリサイクルが当たり前の世の中にしていくにはどうすればよいかを常に考えている。不要な衣料品回収プログラムは、事業上では既に我々の手から離れて消費者に渡った後の段階だと言えるが、業界のリーディングカンパニーとして率先して取り組むべきことだと考えている」と語った。
また、このプログラムのパートナーであるリサイクルのソリューションを提供するI:Collect社で最高マーケティング責任者を務めるJennifer Gilbert氏は「リーバイスのビジョンやサステナビリティに関する取り組みは本当に素晴らしいものだ。このプログラムの良いところは、衣料品をリサイクルに出す機会を増やすことだけでなく、人々が廃棄衣料品という問題に気づく機会も増やしていること、またそれが循環型社会を作り上げていく必要性を感じてもらう機会も作っていることだ」と述べた。
缶や瓶などとは違い、衣料品についてはまだまだ消費者のリサイクル意識が低いのが現状だ。衣料品をリサイクルすることで割引クーポンがもらえるという仕組みを通じ、アパレル業界においても循環型のバリューチェーンが構築され、より持続可能なファッションがスタンダードとなることを期待したい。
【参照リリース】Levi’s® Launches Clothing Recycling Initiative In Europe
【企業サイト】Levi Strauss & Co.
【企業サイト】I:Collect
(※写真提供:Ekaterina_Minaeva / Shutterstock.com)
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