化学世界大手独BASFは10月13日、同業独バイエルから除草剤グルホシネートアンモニウム事業と種子事業の一部を59億ユーロ(約7,800億円)で買収すると発表した。バイエルは、2016年9月に米モンサントを企業買収することで合意しているが、欧州委員会によるEU競争法上の承認取得が難航している。バイエルは今回、モンサント買収が成功することを条件にBASFに一部事業を売却することで、独占への懸念を緩和する考え。
バイエルのモンサント買収が成功すると、モンサントの主力除草剤ラウンドアップと、ラウンドアップに耐性を持つ遺伝子組換え作物を手に入れることができる。モンサントの除草剤・種子事業売上は約146億米ドルで、遺伝子組換え種子では世界最大。バイエルも除草剤・種子事業で世界3位となる99億ユーロを誇っており、自社開発の遺伝子組換え種子も持つ。両社が統合すれば、遺伝子組換え種子で大きなシェアを握ることになる。
今回BASFが買収予定の事業の売上は、約13億ユーロで、バイエルの除草剤・種子事業売上の約13%に上る。まず、アミノ酸系除草剤グルホシネートアンモニウム塩(対象地域は全世界)。製品名「リバティー」「バスタ」「フィナーレ」で知られる。そして種子事業の一部。一つ目は、バイエルが開発した遺伝子組換え作物「リバティリンク」の形質と商標。次に「リバティリンク」技術を使用した遺伝子組換え菜種油「InVigor」で、除草剤「リバティー」に耐性を持つ。欧州での菜種、欧州と南北米大陸での綿花、南北米大陸での大豆も買収対象となる。関連研究所、生産工場、育成技術も買収対象。関連研究開発部門等、米国、ドイツ、ブラジル、カナダ、ベルギーを始めとする社員1,800人もバイエルからBASFに移る。
【参照ページ】BASF signs agreement to acquire significant parts of Bayer’s seed and non-selective herbicide businesses
【参照ページ】Bayer signs agreement to sell selected Crop Science businesses to BASF for EUR 5.9 billion
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら