【イギリス】金融行動監視機構、運用会社のガバナンス新ルール導入。社外取締役2名以上選任等 2018/04/13 最新ニュース

 英金融行動監視機構(FCA)は4月5日、同国の資産運用業界改革の一環として運用会社向けの新たなガバナンス規制「PS18/8」を発表した。新規制は英国に登記されている全ての運用会社に適用される。FRCは2015年11月に業界の発展のため調査を開始。2017年6月に最終報告書をまとめ、今回の新規制に至った。同時に第2弾改革案も公表し、パブリックコメント受付を開始した。

 導入された新規制は、運用会社の透明性を高め、競争原理を働かせるためのもの。導入されたルールは主に5つ。

価値評価

 運用会社は、受益者の利益を最大化するため、徴収している運用手数料の根源的価値を毎年評価、報告することが義務化された。アンブレラファンドの下にサブファンドを設けている場合は、サブファンド毎に価値評価をしなければならない。価値評価は毎年、ファンドの年間報告書の中または個別の報告書として報告しなければならない。報告は、2019年9月30日以降のファンド会計年度終了後、4ヶ月以内に実施しなければならない。

社外取締役の選任

 運用会社は、取締役に占める独立した社外取締役の割合を25%以上にしなければならず、最低でも2人選任しなければならない。同規定の審議過程では、社外取締役の選任によりコスト増となることを懸念する声もあったが、FRCはコスト増は必要コストとして断行した。但し、同義務の施行日については2018年4月1日から2019年9月30日に先延ばしした。

シニアマネジャー&認証レジーム(SM&CR)

 英国では金融機関に対し、上級管理職(通常は取締役会議長)個人の責任を事前に明確にする「シニアマネジャー・レジーム」と、上級管理職以外でも重要業務を担当する役職員を特定し適格性評価を行う「認証レジーム」の2つが導入されている。今回、シニアマネジャー&認証レジームを拡大し、価値評価実施と社外取締役選任の遵守が「所定責任(Prescribed Responsibility:PR)」として規定されることとなった。一部には、取締役会議長を社外取締役とするルールの導入を求める声もあったが、今回は個別企業の判断とし、導入を見送った。

ファンド売買からの利益獲得

 ファンドの設定と解約を相殺しファンドの約定コストを浮かせて運用会社の利益(Risk-free box profits)とする運営を行っている運用会社があったが、今回の新規制により、浮いた約定コストは運用会社ではなく、ファンドの利益とすることが定められた。同ルールは2019年4月1日に施行される。

手数料の低いシェアクラスへの移行

 複数のシェアクラスを設けているファンドにおいて、手数料が低く受益者になんら不利益がないシェアクラスへの移行を実施する場合、個別の受益者から同意を得る必要がなくなった。

 今回発表した第2弾の新規制案で示された内容は主に3つ。

  • 受益者に対しファンドの目的を明確かつ有用に伝える義務
  • ベンチマークに対する制約やベンチマークとのポートフォリオ構成の乖離限度を明確にする義務
  • 受益者に対しベンチマークやパフォーマンスフィーの有無を説明する義務

 第2弾規制案のパブリックコメント受付締切は2018年7月5日。

【参照ページ】FCA sets out next steps to improve competition in the UK’s asset management industry
【規制】PS18/8
【第2弾】CP18/9
【参照ページ】PS18/8: Implementing asset management market study remedies and changes to our Handbook – feedback to CP17/18 and final rules

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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