
英シンクタンクのカーボントラッカーは4月26日、EUの二酸化炭素排出権取引制度(EU-ETS)での取引価格の予測を分析したレポートを発表した。欧州委員会がパリ協定目標の達成に本腰を入れた場合、二酸化炭素排出枠(EUA)の取引価格は、2021年に現状の13ユーロ程度から2倍の30ユーロ程度に、2030年までに4倍の55ユーロにまで上昇すると見通した。
EU加盟国政府は先月、欧州委員会に対し、パリ協定と整合性のある長期的な二酸化炭素排出量削減戦略の起案を正式に求めた。現状のEUの自主的削減目標は1990年比40%削減だが、カーボントラッカーは、パリ協定の目標達成のためには55%削減が必要だと見積もった。今後、本腰を入れた削減戦略が設定されると、EU-ETS下で、二酸化炭素排出量の多い業界に課せられる毎年の割当上限量も厳しくなっていくと考えられる。
排出枠の取引価格は、実際に増加傾向にある。以前は取引価格が低迷した状態が続き、企業の排出量削減へのインセンティブが低かかったが、欧州委員会が価格引上げのための制度変更に動いたこともあり、2017年5月には4.38ユーロだったが、2018年4月には3倍の13.82ユーロの値を付けた。
炭素価格が高騰することで、石炭火力発電からガス火力発電へのシフトも進むと予測。とりわけ石炭火力発電への依存度の高いイタリア、スペイン、ドイツ、オランダでは転換が起こるとした。一方、英国はすでに転換に成功している。
【参照ページ】EU carbon prices could double by 2021 and quadruple by 2030
【参照ページ】Carbon Clampdown: Closing the Gap to a Paris-compliant EU-ETS
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